◆米大リーグ レッズ5―2ドジャース(30日、米オハイオ州シンシナティ=グレートアメリカンボールパーク)

 大谷が右臀(でん)部のけいれんで、4回途中で降板した。聞けば試合前から不調を感じていたようだが、その言葉通り、軸足となる右足でしっかり立てていない、つまり右足に体重が乗せきれていないように見えた。

4回は直球を引っかけて2球連続暴投もあったが、上体に頼って投げている時に起こりがちなことだ。

 復帰後の大谷は、右足に重心を置いて「いち、にぃ、の、さん」と、ゆっくり間を取るように前に体重移動していくフォームで投げている。肘に負担がかからないように、しっかりと下を使って投げる意識が強いのだろうが、復帰から7試合目で下半身の疲労もたまってくる頃。自身初登板となったレッズ本拠のマウンドも影響したのかもしれない。

 投球内容自体は、より先発に近づいてきた。この日はスイーパーを多投したが、初回先頭・ラックスに、初球の97マイル(約156キロ)直球を左翼線にはじき返されたことから、相手打線の速球狙いを察知して、優位に立てる球を探したこともあるだろう。復帰当初の1、2イニングすべてを全力で投げられた段階から、イニングが伸びて先を考えた投球にシフトしていっている。(野球評論家・髙橋尚成)

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