◆米大リーグ パドレス5―0メッツ(30日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)

 侍ジャパンのバッテリーコーチとして23年のWBCでダルビッシュ有(パドレス)と共闘した巨人・村田善則総合コーチ(51)が、日本選手最多となる日米通算204勝をマークした右腕のすごみを述懐した。

 同じユニホームを着るのは初めてだったが、約1か月の時間を共有し「野球に対する貪欲さ、情熱、姿勢、本当にうならされた。

これだけの選手なのにとか、これだけの選手だからなんだなぁとか、考えさせられた」と振り返る。

 日々の生活で「全部を吸収しようとしている姿にすごさを見た気がした」と語る。試合の日の練習前後に行っていた捕手3人と村田コーチのミーティングには、登板予定がない日も含め全試合ダルビッシュも出席。大会前に「どういう考えをされているか聞きたいので、入ってもいいですか?」と志願していた。分析や対策に至るまでの考えを聞くこともあったという。

 当時36歳で侍ジャパン最年長。初対面の選手も多かった中で積極的にコミュニケーションを図り、若手から聞いたランニング系の練習メニューを取り入れようとすることもあった。ブルペンで後輩に熱視線を送っていた際も同様だった。

 「あの立場でも若い選手へのリスペクトがある。この人はどんなことやっているんだろうって、研究心がすごくあるように見えた」

 結束力を高め、なおかつ自身の成長へのヒントも探っていたダルビッシュ。「『日本の投手はいいですよ』と言ってくれていたし、面識のない選手も距離感をグッと縮められる空気をダルがつくってくれたから、チームが早く一つになれた」とし、「これからさらに積み上げていくと思うし、今後の活躍も楽しませてもらいます」。長く第一線で働くプロフェッショナルへ敬意を示しつつ、声を弾ませた。

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