◆JERA セ・リーグ DeNA2―12巨人(8日・横浜)

 巨人が今季最多18安打、同最多タイ12得点でDeNAに大勝し、勝率5割に復帰した。初回から3点を先制するなど打線がつながり、6回までに先発野手全員安打。

佐々木、キャベッジ、門脇が猛打賞をマークした。先制、中押し、ダメ押しと理想的に得点し、3位・DeNAに1・5ゲーム差をつけ、首位・阪神には11差とした。先発の山崎伊織投手(26)は7回1失点で9勝目。リーグトップの東に1勝差に迫った。

 左肩に乗せていたバットを佐々木俊輔外野手(25)が鋭く振り抜いた。6回無死一塁。1ストライクから若松の135キロフォークに反応した。崩されることなく右前に運び、7月27日の広島戦(マツダ)以来、今季4度目の猛打賞。「自分のやりたいことを日頃からやれてきた」。好機を拡大させ、この回6安打4得点の流れを呼び込んだ。

 佐々木に引っ張られたように打線は目覚めた。初回に3点を奪うと、中盤以降も猛攻。

今季は追加点を奪えない展開が続いていたが、その悪い流れを振り払うような理想的な攻撃。開幕2戦目のヤクルト戦(東京D)以来、99試合ぶりの2ケタ得点を挙げた。アーチはなくてもコツコツと今季最多の18安打。中心打者の岡本と吉川を欠く状況で、開幕2戦目以来99戦ぶり同最多タイの12点を奪った。キャベッジ、門脇も猛打賞をマークして先発野手全員安打による勝利となったが、阿部監督は「こういう大味の試合の後のほうが大事だから。みんな忘れて明日、もう一回頑張ってほしいなと。以上です」と次戦を見据えて引き締めた。

 打線をけん引した佐々木の好調を“慎打法”が支える。7月26、27日の広島戦(マツダ)の試合前練習の時だった。フリー打撃中に阿部監督が声をかけ、熱血指導がスタート。「いろいろアドバイスをもらいました」。構えやスイング軌道について助言をもらいながら、指揮官の前で2日連続でバットを振った。

頭の高さに構えていたバットを左肩にかついだ状態からスイングを始めるフォームに修正。無駄を省いた新スタイルで対応力がさらに向上した。今季9勝を挙げているジャクソンも攻略。初回1死で中前安打を放つと4回2死一、二塁では右翼フェンス直撃の2点三塁打を放った。7月4日の1軍昇格後は67打数22安打で打率3割2分8厘。指揮官の教えを生かして暴れ回っている。

 チームは投打がかみ合い、3位のDeNAを突き放した。佐々木らの台頭で層が厚くなれば、さらに勢いも生まれてくる。若林らと外野のレギュラーを争っている背番号44は「センターと2番が固定できたら大きいと思うので、そこにはまるようにしっかりやりたい」と誓った。突き上げる力が8月反攻のシンボルとなる。(宮内 孝太)

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