巨人のファーム選手の今を伝える「From G」。第12回はドミニカ共和国出身の育成新外国人、フランシス・グズマン投手(18)。

グズマンは最速150キロ超のサウスポー。6月に球団が同国で実施したトライアウトで選抜、発掘された原石が、ジャパニーズドリームをつかむための意気込みを語った。(取材・構成=小島 和之)

 プロ経験のない異色の18歳が巨人に入団した。グズマンは身長189センチで細身ながら、長い手足と柔軟性を生かしたフォームから最速94マイル(約151・3キロ)を繰り出す左腕。曲がりの大きいスライダー、スプリット、シンカーを操る。

 「球速と三振を取れることが一番良いところ。レベルの高い野球ができることが(日本を選んだ)一番の理由。一日一日、全力を尽くして練習に取り組んで、一日でも早く支配下を目指したい」

 憧れは史上最速105・8マイル(約170・3キロ)を誇るチャプマン(Rソックス)。投球フォームも参考にしているという。

 「(チャプマンは自分が)子どもの頃から有名。スピードやフォームに憧れていて、フォームはイメージして投げるようにしています。もちろんスピードも同じように上げていきたいけど、とりあえず100マイル(約160・9キロ)まではいきたい」

 高い身体能力は、自然豊かな環境で育った幼少期に培われた。

 「よく山を登ったり、走り回ったりする遊びをしていました。そういうのもあって足腰に力がついたのかも。入ってはいけない畑に遊び感覚で入ってしまって、走り回っていたら持ち主に叩かれたこともありました(笑)」

 来日に際し、母・アンジェラさんら家族からは「すごい選手になったとしても今まで通りに。(人として)変わってはいけない」と助言をもらった。愛する家族に恩返しするためにも、日本で成功をつかむ覚悟だ。

 「日本で一番良い投手を目指して。1軍に行ってお金を稼いで、まずは両親に家を建ててあげて、もう少し安定した生活をさせてあげたいです」

 ◆フランシス・グズマン(Francis Guzman)2006年12月30日、ドミニカ共和国生まれ。18歳。エリアス・ロドリゲス高出身。プロ経験なし。189センチ、90キロ。左投左打。

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