第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)に出場中の広陵(広島)が10日、今大会の出場を辞退した。この日、同校の堀正和校長が兵庫・西宮市内で会見し、明かした。
会見で堀校長は辞退の決断に至った経緯を明かした。昨日の18時から広島市内の同校で理事会を開催。中井監督も理事の1人だが、当事者ということで出席せず。「話がしやすい環境を作り、このたびのことを客観的に話を詰めて行きました。そして中井監督は『すべて理事会の決定に委ねます』。このように、申しております」と語った。
決断の理由の一つに「本校の生徒が登下校で誹謗中傷を受けたり、追いかけられたり、寮爆破予告があったり、そういったようなこともSNS上で騒がれている。校長として、生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは最優先することだということを踏まえ、先に述べたことと合わせて、辞退に踏み切ることを決定しました」と苦しい胸の内を話した。
広陵を巡ってはSNS上で暴力事案が判明。5日には日本高野連が3月に厳重注意とした事案があったことを発表し、6日には学校も野球部員の暴力行為を公表した。さらには別の事案で元部員が被害を訴えていることも判明し、同校では元部員の保護者からの要望を受け、第三者委員会を設置して調査を進めてきた。
8日には阿部俊子文部科学相が閣議後の記者会見で、同校の野球部員の暴力行為があったことについて言及。