部内での暴力事案が判明していた広陵(広島)が10日、兵庫・西宮市内で会見し、第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)の出場辞退を発表した。同校の堀正和校長が大会本部に辞退の意向を申し入れ、受理された。

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 広陵の出場辞退を受け、日本高野連の宝馨(たから・かおる)会長(大会副会長=68)が10日、角田克大会会長(朝日新聞社社長)とともに西宮市内で会見した。宝会長は「試合する前に辞退となればよかったが、対処しようがなかった」と後手に回ったことを陳謝した。

 SNSでの告発が広がる中、広陵は7日に初戦を戦ったが、その当日にも新たな事案が発覚。宝会長は「試合はやらざるを得なかった」との見解を示した上で「旭川志峯にも迷惑をかけた。県大会の段階でも対戦校が広陵高校に負けて敗退した。そういう意味でも残念なことになった。今後二度と起こらないよう、加盟校と都道府県連盟と日本高野連が一体となってやっていきたい」と、再発防止に全力を尽くす考えを示した。

 1月に起きた事案については都道府県高野連を経た学校の報告に基づいて処分を決めた。その一方で、「報告書に上がっていなかったことについては、対処のしようがなかったのが正直なところ」と認めた。

 今後も同様の事態は起こり得る。開会式の夕方開催、2部制の導入など、大会の改革を先導してきた宝会長は「審議のやり方は、改善の余地があるかもしれない」と、厳しい表情で語った。

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