◆米大リーグ ドジャース9―1ブルージェイズ(9日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が9日(日本時間10日)の本拠地・ブルージェイズ戦で「1番・DH」で出場し、現役選手で唯一の3年連続40本塁打を達成した。大台到達は4度目で、過去3度はいずれもシーズンMVPに輝いている。
衝撃音の後に約1秒、大谷が打球を見つめて静止すると、ゆっくりと確信歩き。5歩目でそっとバットを置いた。節目の40号は2点リードの5回1死。バジットの外角シンカーを完璧に捉え、打球速度107・8マイル(約173・5キロ)、角度27度の飛球が大きな弧を描き、中堅スタンドの防球ネットを揺らした。地元ラジオ局の取材に「センターに飛んだ打球はよく見えるので、かなりいい感じで打てて、いい眺めだった」と、自画自賛だ。
3年連続の大台到達は、スタントンやジャッジ(ともにヤンキース)も達成しておらず、現役では唯一だ。21年に46本塁打を放っており40発以上は4度目だ。過去3度はいずれもシーズンMVPに輝いただけに、ロバーツ監督も「打撃コーチと技術的に修正に取り組んできたが、あれは理想的なスイングだった」と絶賛した。
142年の歴史を誇るドジャースで2年連続40発はS・グリーン、D・スナイダーに次ぐ史上3人目。チーム117試合目での到達は球団最速で、昨季の自己最多を上回るシーズン55本塁打ペースで、リーグトップのシュワバーに1本差に迫った。指揮官は「ショウヘイのようなスーパースターは常に自分を奮い立たせる何かを探しており、きりの良い数字を好む。
チームは9得点で快勝し、連勝でカード勝ち越しを決めた。8月は全8試合で安打をマークするリードオフマンは、「ここ最近は四球も取れてるし、1人1人いい打席を送れている。継続が大事ですし、ここからもっともっと大事な試合が増えてくるので全員で頑張りたい」と闘志。残り45試合。勝負の終盤戦で、昨季MVPが真価を発揮する(竹内 夏紀)
◆大谷記録メモ
▽2年連続40発 ドジャースでは、2001~02年のS・グリーン、1953~57年のD・スナイダーに次ぐ球団史上3人目。
▽得点 両リーグトップ独走の110得点。80得点でリーグ2位タイのデラクルス(レッズ)、シュワバー(フィリーズ)には30得点差。米データサイト「オプタ・スタッツ」によれば、ナ・リーグの選手が他の選手に30得点以上の差をつけるのは、32年にクライン(フィリーズ)が最大37得点差をつけて以来93年ぶり。
▽移籍後2シーズンの本塁打 MLB公式サイトで各種記録に精通するS・ラングス記者によれば、移籍後2シーズンでの本塁打数は1位がB・ルースの113、2位がA・ロドリゲスの109、3位がR・マリスの100、4位がC・フィルダーの95、大谷はM・マグワイアの94に並んで歴代5位となった。
▽球団最速 チーム117試合目時点で40本塁打は、1955年のスナイダー(38本)を抜いた。
◆NPBの日本人3年以上連続40本塁打 NPBで3年以上連続で40本塁打をマークしたのは過去に8人9度。日本人では6人7度だ。日本人の3年以上連続40本塁打は
年 期 間 打 者 (所属)
(8)63~70年 王 貞治(巨人)
(5)77~81年 山本浩二(広島)
(4)62~65年 野村克也(南海)
(3)70~72年 大杉勝男(東映)
(3)71~73年 長池徳二(阪急)
(3)72~74年 王 貞治(巨人)
(3)85~87年 秋山幸二(西武)
外国人では01~04年に4年連続のT・ローズ(近鉄、巨人)、01~03年に3年連続のカブレラ(西武)がいる。