◆JERA セ・リーグ 巨人0―2中日(11日・東京ドーム)

 巨人が中日戦で今季10度目の完封負けを喫し、勝率5割に後退した。初回、2回と無死一塁で強攻策を選択したが、走者を進められずに併殺で逸機。

4回にはヒットエンドランで打開を図ったが、泉口が空振りし、一塁走者の佐々木が二盗失敗。ちぐはぐな攻めで得点を奪えず、5回2失点の戸郷を援護できなかった。チームの連勝は2でストップ。3カードぶりの初戦黒星となった。

 上昇気配にあった打線が突如、沈黙した。2点を追う9回、あっさり3者凡退で試合終了。7月19日の阪神戦(東京D)以来、今季10度目の完封負けを喫した。連勝は2で止まり、勝率5割に逆戻り。6回まで毎回走者を出しながら得点に結びつけられず、阿部監督は「あとひと押しだったけどね」と悔やんだ。

 相手先発は試合前時点で防御率5・16のメヒア。中日の救援防御率はリーグ3位の2・65で、橋上作戦戦略コーチ兼スコアラーが「連戦中はいい形で打線がつながっているので、つないで攻撃していきたい」と掲げたように、序盤の強攻策でメヒアから複数得点を狙ったが、完全に裏目に出た形となった。

 初回、先頭・丸が四球で出塁。

試合によってバントで送るパターンもあるが、2番・佐々木に打たせて中飛、泉口は遊ゴロ併殺に倒れた。悪夢は繰り返す。2回は先頭のキャベッジが安打で出塁後、岸田が空振り三振、大城卓が一ゴロ併殺。4回、今度は先頭・佐々木が左前打で出塁し、泉口の打席でヒットエンドランを仕掛けたが、痛恨の空振りで一走・佐々木が盗塁死。打つ手が全て裏目に出て、最後まで得点を奪えなかった。

 後半戦はここまで14試合59得点で1試合平均4・2得点。6月下旬から7月中旬にかけては得点力不足に苦しんだが、8日のDeNA戦(横浜)で今季最多タイ12点を挙げるなど上向きだった。二岡ヘッド兼打撃チーフコーチは「点を取らないと勝てないですし、何とかみんなでつないでいかないといけない。チャンスがなかったわけではないですしね」と引き締めた。今季、標ぼうするロースコアのゲームを落としては2位争いから突き抜けることはできない。

 雨天中止となった首位・阪神とは12ゲーム差に広がり、残り40試合。阿部監督はパーフェクトに抑えた救援陣をねぎらい、「何とか頑張って試合が壊れなかったしね。

それを明日につなげたいなと思います」と前を向いた。中日3連戦の初戦を落とし、3カードぶりの初戦黒星。15日からは阪神3連戦(東京D)が待つ。奪える点を確実に奪い、勢いに乗って虎との戦いに臨みたい。(田中 哲)

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