◆第107回全国高校野球選手権大会第6日 ▽1回戦 県岐阜商6―3日大山形(11日・甲子園)
春夏計4度の日本一を誇る名門・県岐阜商が日大山形に逆転勝ちし、16年ぶりの夏白星。生まれつき左手の指が欠損しているハンデを抱える横山温大(はると)外野手(3年)が「7番・右翼」で出場。
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小さい頃から力を高め合ってきた球友も県岐阜商・横山の活躍を見守った。元中日・川上憲伸氏のおいで、帝京大可児の川上洸晶(こうせい)投手(3年)が一塁側アルプスに駆けつけ応援。岐阜大会決勝で対戦した2人は、小中学時代は同じチームでプレーし、お互いの自宅で自主練習をしたこともあった。親友の晴れ姿に「もう全国区の選手になった。もっと有名になってほしい」と感慨深げに語った。
5回に横山が同点の適時打を放つと「チャンスで打つと思ってた。今日のニュースの1面だと思う」と大興奮。その裏の攻撃で、すぐ目の前の右翼のポジションに横山が就くと、すかさずメガホンを両手に掲げて祝い、横山も右手を上げて応えた。「あとは本塁打。浜風をものともしないライトへの1本を」。聖地切符をかけて戦った親友を頼もしそうに見つめていた。