◆イースタン・リーグ 巨人7―1楽天(11日・ジャイアンツタウン)

 巨人の松井颯投手が約3か月ぶりにイースタンに登板し、1回無安打無失点、2奪三振と好投した。

 高ぶる気持ちを力に変えた。

6点リードの9回からマウンドへ。先頭の吉納から空振り三振を奪うと、阿部を遊ゴロ、吉野を空振り三振に仕留めた。最速149キロを計測した直球にシンカーやスライダーを交えて翻弄。5月7日のイースタン・DeNA戦以来となる2軍戦登板で持ち味を発揮した右腕は「久しぶりの2軍戦で力も入りましたし、その中で力んでもいいボールを久々に投げることができた」とうなずいた。

 もどかしい時間を過ごしてきた。ルーキーイヤーに初先発初勝利を飾ったが、3年目の今季は育成契約で再出発。強い覚悟で臨むも5月以降は2軍戦のマウンドからも遠ざかった。「結果を出すしかないですし、今できることをやるしかないという気持ちでずっとやってきましたね。あとはもう自分の高みを目指してという気持ちでやってました」と振り返る。

 3軍で己と向き合う中、久保巡回投手コーチと話し合い、フォームを修正。体の開きを抑えるためにトルネード気味の投げ方に挑戦した。「左半身の開きを抑えるための取り組みとして久保さんとも話して、少しトルネードにしながら投げています」。

体の開きがなくなることで、球の出所も見えにくくなり、直球で押し込めるケースが増えてきたという。「今日は球速も出ていましたし、バッターも真っすぐにさされていたので良かったかな」と手応えを得た。

 今季の支配下契約は勝ち取れなかった。悔しさを糧にさらなるレベルアップに励む。「やるしかない。周りの2軍の選手と比べた時に松井のほうがいいとなるように、今日のような状態を最低限は維持できるようにやっていくしかない」と力を込めた。

編集部おすすめ