◆米大リーグ ジャイアンツ―パドレス(11日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)

 パドレス・ダルビッシュ有投手(38)が11日(日本時間12日)、敵地・ジャイアンツ戦に先発し、6回4安打1失点、6奪三振と好投。今季2勝、日米通算205勝目の権利を持って降板した。

球数84球で、防御率は5・61となった。

 相手エース・ウェブとの投げ合いで初回は3者凡退の立ち上がり。2死から3番・アダメズは1球で右飛に仕留めた。右翼・タティスが最後は一塁側ファウルゾーンの観客席に飛び込みそうになりながらも好捕した。ダルビッシュは2回。先頭の4番・スミスに初安打となる中前打を許すなど1死一、二塁とされたが、7番・ベイリーを94・3マイル(約151・8キロ)直球で見逃し三振に斬るなどしてピンチを脱した。

 4回は先頭の3番・アダメズがダルビッシュの変化球にきりきり舞いとなった。1ストライクからの2球目、81・8マイル(約131・6キロ)スイーパーは外角に大きく外れたが、抜群のキレ味で空振りを奪った。4球目のスプリットも外角低めのボール球だったが、スイング判定で空振り三振。ダルビッシュはこの回3者凡退、5回は3者連続三振と同地区のジャイアンツ打線を沈黙させた。

 ウェブとの投手戦が続く中、メリルの先制適時二塁打で1点の援護をもらった直後の6回。2死から2番・ディバースに外角91・5マイル(約147・3キロ)シンカーを左中間への同点ソロとされた。

それでも、パドレスは7回に7月末のトレード期限でロイヤルズから加入したフェルミンの2ランなどで3点を勝ち越した。

 ダルビッシュは7月30日(同31日)の本拠地・メッツ戦では7回2安打無失点の快投で307日ぶりの白星となる今季初勝利を挙げ、日米通算では黒田博樹(ドジャース、ヤンキース)を超えて歴代最多の204勝目(NPB93勝+MLB111勝)。開幕前から右肘炎症などのため負傷者リスト(IL)入りし、7月のメジャー復帰後も4試合白星がなかったが、腕の位置をサイド気味に下げる新フォームで復調し「もちろんうれしいですけど、黒田さんとか野茂さんのような投手ではまだない。数字がどうとかじゃなくて、本質的に近づけるように」と話していた。

 ナ・リーグ西地区で首位ドジャースと優勝争いを繰り広げる2位のパドレスにとって、8月はド軍との直接対決が6試合組まれており、背番号11の投球が命運を左右する可能性もある。今季はこの日まで6試合に登板し、1勝3敗、防御率6・51だった。

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