◆第20回全日本女子硬式クラブ野球選手権第4日(12日、千葉・なごみの米屋ぴーちゃんフィールド大谷津ほか)
女子硬式野球クラブチームの日本一を決める大会の3回戦が行われ、阪神タイガースWomen(兵庫)がZENKO BEAMS(埼玉)に延長8回タイブレークの末に1―6で敗れた。前日には巨人の女子チームと西武ライオンズレディースも敗退しており、23年にNPB傘下の女子チームが3チームになって以降、同大会と秋の全日本選手権の2大全国大会で1チームも8強に残らなかったのは初めて。
22年大会優勝の阪神と17年優勝のZENKOの1戦は緊迫した試合となった。2回にZENKOが押し出し四球で先制すると、阪神も3回に高橋愛の適時打で同点に。両軍とも追加点の好機を作るが、好守備と好投に阻まれて7回で決着がつかず、1―1のまま無死一、二塁からのタイブレークに突入した。
先攻のZENKOは1死満塁とすると、捕逸で勝ち越し。さらに依田伊吹の2点適時打に相手失策が重なり5点を挙げた。その裏、5回途中からマウンドに上がった日本代表の泰美勝が阪神の攻撃を無失点に抑えると、ZENKOナインは抱き合って喜んだ。
ZENKOの中島梨紗監督らは、前日同球場で行われた巨人女子チームと九州ハニーズ(福岡)の一戦を視察。戦力で劣るハニーズが終盤に満塁から捕逸で追いつき、さらに2点適時打で勝ち越し破ったシーンを見ていた。似た展開に中島監督は「ハニーズさんに勇気をもらいました。個々の力はかなわないけれど、野球はチームスポーツなので何かが起こる。(強い相手にも)やれる、絶対にひるむなとナインに伝えました。守備のミスも無く集中していました。
一方の阪神はZENKOの6安打より多い9安打ながら1点止まり。木戸克彦監督は、「(チャンスで)打てなきゃしょうがない」と言葉少なく球場を後にした。決勝は16日に行われる。