◆第107回全国高校野球選手権大会第7日 ▽2回戦 岡山学芸館3―0松商学園(12日・甲子園)

 岡山学芸館は、エース・青中陽希(3年)が完封し、岡山勢に夏70勝目をもたらした。

 マウンドで笑顔がはじけた。

聖地初登板の岡山学芸館・青中陽希は、124球の力投で6安打完封。沖田幸大―丹羽知則の継投で聖カタリナ学園を完封した昨夏の1回戦に続き、岡山勢では初の2年連続初戦完封勝利に貢献した。「この舞台を目指してやってきた。最後まで投げ切れたのがうれしい」。ベンチから見守るだけだった昨年の無念を晴らし、声を高ぶらせた。

 冷静な投球が光った。1―0の2回一死一、三塁。「バントの構えがゆっくり見えた。自分で外した」とスクイズを阻止。死球を与えてなおも2死一、二塁とされたが、「アウトを取った後によく打たれる。ホッとしたら点につながる」と気を緩めず、投ゴロでしのいだ。3~5回も得点圏に走者を進められたが、許した6安打はすべて単打で、傷口を広げなかった。

 今大会は健大高崎・石垣元気(3年)を筆頭に、150キロ越えの速球派投手に注目が集まる。最速139キロの左腕は「とにかく制球。今から140キロ出せる確率は低い」と技術向上を徹底する。試合の中で2段モーションを1段に変更し、「完璧なスタートを切らせない」とけん制も駆使。移動のバスの中でもボールを握り、指先の感覚を研ぎ澄ませた成果を発揮した。

 3回戦は最速152キロの二刀流・菰田陽生(2年)を擁する山梨学院だ。「チームを勝たせる。次の試合も全力で向かっていく」と背番号1。同校初のベスト8へ、あと1勝。一人で投げ抜く覚悟はできている。(松ケ下 純平)

 ◆青中 陽希(あおなか・はるき)

2007年11月10日、広島県東広島市生まれ。17歳。

小2時に高屋西スポーツ少年団で野球を始め、高屋中では東広島ボーイズでプレー。岡山学芸館では2年春から背番号18でベンチ入りし、2年秋から背番号1をつける。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ。173センチ、78キロ。左投左打。

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