ドジャース・大谷翔平投手(31)が11日(日本時間12日)の敵地・エンゼルス戦で「1番・DH」で先発出場し、3戦連発のリーグトップタイ42号を放った。かつての本拠エンゼルスタジアムで100本目のメモリアルアーチとなった。
鋭くバットを振り抜いた大谷が、左手のしびれを振り払うしぐさを見せた。詰まったのか? だが、打球は大きな弧を描いて右中間席最前列に飛び込んだ。0―7で迎えた8回1死。チーム今季7度目の零敗もチラついてきた中、ひと振りで空気を変えた。89・5マイル(約144キロ)の内角低めカットボールを捉えた打球速度100マイル(約161キロ)の一発は、今季4度目の3戦連発となる42号だ。エンゼルス時代の18~23年で99本を積み重ねたエンゼルスタジアム。ド軍移籍後初となる一撃で、節目の100号を飾った。
キング争いもし烈だ。前日にフィリーズ・シュワバーに並んで6日ぶりにトップに返り咲いたが、ドジャース戦開始の約1時間半前、ライバルが別球場で42号。約3時間50分後に再び並んだ。
古巣の温かさを力に変えた。試合前には、元同僚や関係者ら懐かしい面々と交流。エ軍時代の23年にかわいがっていたネトには、投球フォームの物まねを披露されて大爆笑だった。試合ではそのネトが初回初球先頭弾を含む2発の大暴れ。「翔平は兄のような存在で、多くのことを教えてもらった。そのおかげで生き残れて、今の自分がいる。すごく感謝しているよ」と笑顔を見せた弟分に、大谷も“凱旋弾”で意地を見せた。
宿敵の足音が近づいて来た。チームは2連敗で、ダルビッシュの好投で勝利を手にした同地区2位・パドレスとのゲーム差は、最大9から1まで縮まった。ロバーツ監督は「翔平、マックス(マンシー)の本塁打で、守護神ジャンセンを出せたのは収穫。
8月は全10試合で安打をマークし、打率4割4分7厘と好調をキープ。「毎日同じことをやりながら、感覚の違いを探る作業を一日一日限られた時間の中で大事にしている」と話していた大谷。上昇気流に乗る二刀流男が、チームの命運を握っている。(竹内 夏紀)