◆第107回全国高校野球選手権大会第7日 ▽2回戦 岡山学芸館3―0松商学園(12日・甲子園)

 岡山学芸館は、エース左腕・青中陽希(3年)が完封し、岡山勢に夏70勝目をもたらした。

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 自身がかなわなかった思いは聖地のグラウンドに立つナインに託した。

岡山学芸館の学生コーチ・畑慎平(3年)はアルプスから声援を送った。中2の時に腰椎分離症を発症。高校入学後も痛みに耐えながら甲子園を目指しプレーしていたが、2年夏には「歩くのもしんどかった」と悪化。その冬に選手引退を決断した。同時に「何も残らずに終わってしまうのは悔しい。ならばチームのために」とコーチ転身を決めた。

 主な役割は練習の補助。夜遅くまで自主練習に付き添うこともある。「選手をやってるだけでは味わえない感覚というか、自分のためにも生きているなと実感している。やって良かった」と裏方の仕事にやりがいを感じながら選手を支えてきた。チームは2年連続の初戦突破。「普段通りプレーしてくれたら大丈夫」。

学生コーチとして見守ってきた選手がベスト8の目標を達成してくれると信じている。(綾部 健真)

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