◆JERA セ・リーグ 巨人5―0中日(12日・東京ドーム)
巨人の2年目左腕・森田駿哉投手(28)がまたも快投を披露し、6日のヤクルト戦(東京D)に続くプロ2勝目を挙げた。中日を相手に自己最長の7回を投げ2安打無失点。
森田は、岸田のサインに深くうなずいた。バットが空を切り、ポンとグラブをたたくと、森田コールが響き渡った。4―0の7回。先頭・細川への四球や石伊の左前安打などで1死一、二塁とされた。ここで岡林を空振り三振。最後は山本をフォークで空振り三振。「しっかりと一球一球、投げることができました」。ベンチへ戻ると、阿部監督からねぎらいの言葉をかけられた。
中5日の先発で7回2安打無失点。
初回のピンチを切り抜け、リズムに乗った。初回、先頭のブライトに右翼へ二塁打を許し、四死球で1死満塁。「大丈夫よ!」と坂本から声をかけられ、奮い立った。「それを信じて。後ろにはすごい頼りになる人がいっぱいいる」。チェイビスをチェンジアップで遊ゴロ併殺打。以降は7回1死まで安打を許さなかった。最速147キロの直球に、140キロの高速フォークなどで6K。「直球もしっかりインコースを突けたし、後半から落ち球が有効的に使えた」。
子どもたちへ、好投を届けた。前回6日・ヤクルト戦でプロ初先発初勝利を挙げた後、G球場で会った同期入団で23歳の西舘から声をかけられた。現在28歳は、同期の中で最年長。「“おじさん、おめでとう”って言われました。おじさんって呼ばれているんです」と頭をかいた。ただそんな左腕にも、幼い頃、憧れていたヒーローがいた。「小さい頃、松坂大輔さんを見て、野球を頑張ろうと思った。松坂さん(モデル)のグラブを使って野球をしていたので、憧れはありました」。この日の東京Dには、夏休みということもあり、多くの子どもたちが観戦に訪れていた。幼い頃、自身がプロ野球選手に憧れたように、球場に集まった子どもたちに憧れられる存在へ―。
チームは、9連戦が雨天中止で8試合になったものの、5勝目で勝ち越しが決まった。高校日本代表でもバッテリーを組んだ女房役の岸田と上がったお立ち台。同じく同学年の岡本の1軍復帰も待ちわび、「本当に2人は活躍していますし、そこに負けずに活躍できるように。一緒に1軍という舞台で結果を出していけたら」。遅咲きでもいい。ここから巻き返していく。(水上 智恵)