第107回全国高校野球選手権は、19日に準々決勝4試合が行われる。休養日にあてられた18日、8強進出の各校は、それぞれに調整を行った。

日大三(西東京)は、前監督の小倉全由氏(68)が激励に訪れ、プレーでもマナーでも魅せる野球の心構えを注入した。

 日大三ナインに、“レジェンド監督”が魂を注入した。西宮市内のグラウンドでの全体練習を、前監督の小倉氏が訪問。準々決勝で聖地15年ぶりの「東京対決」に臨む選手に向けて「『東京の野球ってこんなにマナー良く一生懸命やって、本当にいい野球をやるよな』と見せなきゃダメだね」とプレーのみならず、高校球児らしいハツラツとした態度でも魅せることを求めた。

 小倉氏にとって日大三の三木有造監督(51)は20年以上、監督とコーチでタッグを組んだ間柄。一方で関東第一の米沢貴光監督(50)とも縁は深く、小倉氏が同校監督時代の教え子にあたる。「どっちに勝ってもらいたいなんてないなあ。両校ともエラーがでなきゃいいな」と複雑な胸中を吐露した。それでも「あがった(勇退した)人間として両チームの試合を見られるのは幸せ。長い間野球に携わっているといろいろなことがある」と笑みを浮かべた。

 日大三は3回戦で9得点をあげるなど、強打で8強入りを果たした。それでも本間律輝主将(3年)は「とれるアウトをとり、大量失点さえしなければ良い状況に持っていける」と守備から打撃につなげる狙いだ。

「東京勢の戦いが甲子園でできるのはうれしい。勝って東京の代表として準決勝を戦えるようにしたい」と歴史的な一戦を心待ちにした。(高澤 孝介)

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