◆JERA セ・リーグ 巨人8―1DeNA(22日・東京ドーム)

 外のスライダーを狙っていたのか、ドンピシャだった。岡本はホッとしたと思う。

1軍復帰後、打つ形や球の見え方も悪くなかったから、そろそろ一発がほしいだろうな、と。長いこと離脱して責任を感じていたようだし、帰ってきたら逆に「打ってくれ」という重圧も感じたはず。いろいろな意味で価値あるホームランになった。

 正直、心配していた。9日のイースタン・日本ハム戦(鎌ヶ谷)では片手で空振りした際、痛めた左肘を痛がるそぶりを見せた。私も04年オフに右肘を手術した。岡本と同じ、スイングを先導する方の腕だ。実戦復帰後、一番不安だったのは変化球などで抜かれ、タイミングを外された時。片手打ちになった患部に無意識な“ねじれ”が加わり、負担は大きくなる。これが痛みを誘発する。

 その日以降、岡本は順調だったと聞く。ただ、まだ左肘への不安は残っていると思う。

抜かれないようにするには、ボールを長く手元まで呼び込むこと。ケガの功名とは言いたくないが、パワーのある和真には合っている打ち方だ。四球もしっかり取れているし、球は良く見えていそう。残り31試合。今の意識が良い方向へと導いてくれるだろう。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)

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