第107回全国高校野球選手権大会は23日午前10時から甲子園で決勝が行われ、初優勝を目指す沖縄尚学と、2011年以来14年ぶり3度目の優勝を狙う日大三(西東京)が激突する。最速150キロ左腕・末吉良丞(りょうすけ、2年)、最速146キロ右腕・新垣有絃(ゆいと、2年)の投手力で勝ち上がった「盾」の沖縄尚学か、今大会最多2本塁打の4番・田中諒内野手(2年)を擁し、強打で知られる「矛」の日大三か。

甲子園通算68勝を誇る高嶋仁氏(79)=前智弁和歌山監督=が決勝を占った。

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 沖縄尚学が優位と見ます。準決勝で山梨学院の好投手・菰田君と檜垣君から10安打を放ったように、地方大会で打率2割9分8厘だった打線の状態が上がってきました。沖縄大会から2年生の末吉君と新垣有君が引っ張り、ここに来て3年生が意地を出してきたように感じます。

 末吉君は疲労が見られますが、新垣有君が万全です。キレがあるスライダーは、なかなか打てません。3年生を含めても高校生ではトップクラスです。

 日大三の打線は好調です。一方、4試合で8失策。5試合で5失策の沖縄尚学に比べて多いのが気になります。ミスから崩れないかが心配です。

 甲子園で勝つためには、実力、運、勢いが必要です。

監督がいかに言葉などで勢いを引き出すか。この点では、優勝経験がある沖縄尚学・比嘉監督に一日の長があります。

 キーマンは両エース。準決勝と同様、日大三は近藤君をリリーフで、沖縄尚学は末吉君を先発で起用すると予想します。継投のタイミングもポイントです。

 今大会は甲子園に出場した実力があるにもかかわらず、悪送球が目立ちました。捕ることはできていますが、アウトにしてこその守備。指導者と選手は、基礎練習を大切にしてほしいです。

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