◆米大リーグ ロッキーズ5―9ドジャース(21日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)は21日(日本時間22日)の敵地ロッキーズ戦を欠場し、宿敵パドレスとの天王山を前に休養に努めた。産休制度で4月18、19日(同19、20日)の敵地レンジャーズ戦2試合を欠場して以来、124日ぶりの欠場。

チーム帯同中では、昨年5月28日、敵地メッツ戦のダブルヘッダー2戦目以来450日ぶりだった。22日(同23日)からは1ゲーム差の2位パドレスと今季最後の3連戦。異例の休養と、その意味を竹内夏紀記者が「見た」。

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 慣れない休養に、大谷はウズウズしているように見えた。ベンチで戦況を見守り、試合中はベンチでボールを握るなど、もどかしさがのぞいた。4月に産休制度で2試合を欠場したが、チームに帯同しながらの休養は、昨年5月28日以来450日ぶりだった。

 ロバーツ監督からは睡眠指令が下されていた。通常は開始3時間前にクラブハウスに姿を見せるが、1時間半前でも現れず。実は前日、睡眠を重視する大谷を気遣った指揮官に「朝はゆっくり寝て遅く来なさい」と命じられており、ギリギリまで回復に努めたとみられる。先発登板した前日に打球が直撃した右太もも右前部にはボールの痕がくっきり。あざになっていたが、試合後は口笛を吹くなど深刻さは感じさせなかった。

 ド軍は今季最長13連戦中。

大谷の休養は先発登板前日の19日(日本時間20日)に話し合った上で決定していた。「打席に立って貢献するのが仕事」と話していたように、責任感の強い大谷はエンゼルス時代から“休まない男”として知られる。5失点した翌日だけに、あらかじめ休養日と決めていなければ打者出場を直訴する可能性もあっただろう。

 チームは1番ベッツ、2番フリーマンのオーダーで9点を奪い快勝。22日(同23日)からのパドレスとの最終3連戦を前に、最高の形で大谷を充電させることができた。ロバーツ監督は「ショウヘイは大丈夫だ。明日は出るよ」と明言。初戦の相手先発はダルビッシュ。大谷の打棒でパ軍に引導を渡すことになれば、指揮官による事前の休養決定がファインプレーになりそうだ。(竹内 夏紀)

 ◆大谷の欠場

 ▽産休 第1子を出産する真美子夫人に付き添い、父親リスト入り。最長3日間、休むことができたが、4月18、19日の2試合を欠場。

 ▽打者専念の昨季は3試合 33試合目でド軍入団後初めて、休養で欠場。

負傷以外の欠場はこれだけ。5月11日は腰の張り、同28日のダブルヘッダー第2戦は、左太もも裏打撲による。

 ▽二刀流では登板前後 エンゼルスの22年は投手で過去最多28登板。同年は休養で5試合を欠場したが、うち4試合は登板前後。

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