東都大学リーグ3部の上智大からプロ入りを目指す最速153キロ右腕・正木悠馬投手(4年)が2部・日大との交流戦に先発し、5回3安打4失点(自責1)、5奪三振と粘投した。初回から140キロ台後半の速球を連発してギア全開。

巨人、阪神など10球団が視察する中、5回1死からの2者連続を含む5三振を奪って才能の片りんを見せ、試合後には改めてプロ志望届を「出す方向で考えています」と明言した。

 「おぉ」。日大ベンチから思わず感嘆の声が上がった。プレーボール直後の初球。右腕から投じられた剛球はバックスクリーンにこの日最速となる「149キロ」と示された。147キロの2球目で二ゴロに打ち取ると、小さくうなずいた。

 その後は23年秋の入れ替え戦以来の神宮のマウンドに対応しきれず、3回までに5与四球。「自分の技術力の足りなさ。もっと最初から対応できていれば」と唇をかんだ。それでも、「インスタグラムの動画を見て覚えました」と新たに習得したナックルカーブで三振を奪った。体重も秋に向けて3キロ増やすなど、確実に前に進んでいる。

 上智大からNPB入りなら初の快挙。

ネット裏で見守ったロッテ・菅野スカウトは「(指に)かかったときのボールが面白い。かかるボールの確率が高くなればもっと良くなる」と将来性を評価した。「自分が挑戦できる一番高いレベルでやりたい」と揺るぎない思いを示し「真っすぐの精度、キレとかそういった部分も全部、(10月23日の)ドラフトまでに伸ばしたい」。運命の日まであと2か月弱。来月2日に開幕する東都3部でアピールを続けながら、朗報を待つ。(北村 優衣)

 ◆正木 悠馬(まさき・ゆうま)2002年11月19日、横浜市生まれ。22歳。豊海小2年から月島ライオンズで野球を始め、銀座中では練馬ボーイズに所属。中2から父の仕事の都合で米ワシントン州へ。レドモンド高では複数の守備位置を経験。上智大で投手に専念し、1年春に救援でリーグ戦初登板。フォーク、カーブ、カット系スライダーとジャイロスライダーを操る。

179センチ、83キロ。右投左打。

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