◆パ・リーグ 日本ハム4―3ソフトバンク(22日・エスコンフィールド)

 日本ハムは22日、首位ソフトバンクとの直接対決3連戦(エスコン)の初戦を4―3で制し、2・5ゲーム差とした。8回に4番手で登板した斎藤友貴哉投手(30)は、自己最速に並ぶ160キロをマークするなど、近藤、山川、中村晃と並ぶソフトバンクの強力クリーンアップを3者凡退。

自身の連続無失点を15登板に伸ばし、相手打線の勢いを断ち切った。

 試合が終わっても、斎藤の興奮は全く冷めていなかった。首位ソフトバンクを逆転で撃破。エスコンでは初のお立ち台に上がった右腕は「勝ちましたー!」と絶叫した。1点リードした直後の8回、相手クリーンアップを3者凡退に抑えたマウンドを振り返り「すごくしびれて…。正直、今もしびれてます」。王者を振り切り、2・5ゲーム差に迫った。

 自慢の直球がうなりを上げた。8回、先頭の近藤を遊ゴロに仕留めた真っすぐが、自己最速に並ぶ160キロをマーク。続く山川、中村晃は全て真っすぐで遊ゴロ、右飛に仕留めた。「強力打線に向かっていけた」と胸を張ったが、球速については「全然満足してないです。虎視眈々(たんたん)とやってくだけなんで。

自分としては通過点です」。言葉の意味はよく分からなくても、とにかく自信だけは伝わってきた。

 新庄監督の“予言”通りだった。「試合前ボスから点数は違ったんですけど、『2―1で8回ぐらいイメージしといて』って言われて。まさか1点差でくるとは、さすがだなって思いました」。ポテンシャルを生かし切れていなかった斎藤にとっての恩師。「ボスが、コーチも含め、思い切っていけと言ってもらえて」。大一番を力で押し切り、期待と起用に応えた。

 幼い頃から、あこがれたのは球が速いピッチャーだった。「大谷選手もそうですけど、夢を与えられる選手というか、ファイターズには斎藤がいるよって、子どもたちに夢を与えるような選手になりたい」。これで15登板連続無失点。昨季、無死満塁のピンチを切り抜けた“自作自演”から、新庄監督が命名した「さいこうゆきや」。

圧倒的な球威で無失点を継続し、真の最高をマウンドで表現していく。(山口 泰史)

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