◆JERA セ・リーグ 巨人4―1DeNA(23日・東京ドーム)
岡本の状態が上がってきた。1軍復帰直後はさすがに約3か月のブランクもあり、やや球を追いかける形があったが、投手の球を引き込む間をつくれるようになってきている印象だ。
上体に余分な力感がなく、スイングもトップの位置から下半身主導で徐々に加速してインパクトで最大のパワーを出せていて、柔らかさがあると感じる。だから、1本目のホームランのようにわずかにタイミングを外されていても対応できる。どんな打者でも状態が悪いと、0からいきなり100の力で振り出してしまい、抜かれたらそのまま空振りや凡打という形が目立つようになるが、今の岡本にはインパクト・ゾーンに奥行きがある。
今でも好調だということは強調した上で今後、注目していきたいのは、強い真っすぐへの対応だ。これまで相手投手が岡本に対して、速球をゾーン内にどんどん投げ込んでくる場面は多くなかったかもしれない。1軍に復帰してこの日で8本目の安打となったが、実は、いずれも変化球を打ち返したものだ。これから速球をはじき返す場面も目立つようになってきたら、いよいよ手がつけられなくなる。(野球評論家・清水 隆行)