◆JERA セ・リーグ 広島4―1巨人(26日・マツダスタジアム)

 戸郷にはもったいなさを感じた場面が3つあった。

 まずは初回の末包の犠飛。

高めのつり球要求に対し、やや狙いより低くなったボールを運ばれた。抜けてもいいから思い切り高めに投げて、それから低めで勝負するか、あるいは低めを続けてもよかった。この2点目は余計だった。

 2つ目は6回無死一塁から小園に打たれた右前打。相手が引っ張りにきているところで、完全な逆球となった内寄りの直球を運ばれた。この回はピンチを摘み取ることはできたが、本来ならばやってはいけない制球ミスだった。

 3つ目は7回2死二塁からの床田の右前打。結果的に続く中村奨にタイムリーを許すわけだが、これが最も痛かった。広島ベンチはこの試合を床田に任せる腹づもりだったと思う。2―0のままであれば、巨人も追い詰めるチャンスはあっただろう。

 一時期よりも状態がよくなっているのは確か。ただ、ここぞという場面での慎重さが足りない部分が見受けられる。

今後上位に食らいつくためにも、戸郷の勝ち星が絶対に必要。勝負所を見極めた投球ができれば、もっと楽に勝てるはずだ。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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