米動画配信大手ネットフリックスが、来年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本での独占放送権を獲得したことが26日までに判明した。全47試合をライブとオンデマンドで配信し、今大会の地上波での試合放送はないとしている。

ただ民放関係者によると、地上波でのテレビ放送の可能性を模索する方針だ。

 WBCの日本での独占放送権を獲得したネットフリックス。発表によると、今大会の地上波での試合放送はないとしている。民放関係者は「あくまで米国の主催者と、米国のネットフリックスが契約を締結した、という話だと感じる。TBSなどは契約の状況を確認し、これから動き出すのだと思う」と語ったが、テレビ朝日はこの日「今大会は放送権の獲得に至りませんでした」とのコメントを発表した。

 当初は前回大会と同様にテレビ朝日系とTBS系が地上波で中継することで交渉が進んでいた。だが、前回大会優勝による日本国内の過熱ぶりに米大リーグ機構(MLB)を中心とした主催者が注目。06年の第1回大会では大手広告会社から日本の各放送局に提示された放送権料は10億円とされていたが、国内テレビ局では手が出せないレベルまで高騰したという。

 放送権の契約はMLB側の特権事項。NPBからMLB側に国内の地上波放送の継続を働きかけたが、覆せなかった。民放関係者は「過去にサッカーのW杯の放送権を巡っても『日本の地上波で視聴できなくなるのでは』と危惧されたことがあった。今後まだ地上波放送に向けて動きはあるはずだ」と指摘した。

別の関係者は「ネットフリックス側に『サブライセンス(再許諾)契約』を打診する可能性もあるが、独占契約を結んでいる以上、難しいのでは」と、厳しい状況であることを明かした。

 日本が入る1次ラウンドC組(東京ドーム)の10試合を主催する読売新聞社は「野球ファンに限らず内外の多くの方々を魅了する貴重な国際大会。今後も多くの方々に本大会を楽しんでいただけるよう引き続き努める」との声明を発表した。独占配信の方針が変わる可能性はあるのか。今後の展開が注目される。

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