パ・リーグ 楽天10―3ソフトバンク(26日・弘前)

 弘前のファンの記憶に残る快投を演じた。不惑の楽天・岸は白い歯を見せて笑った。

6回89球を投げ、3安打1失点(自責0)の好投で、チーム単独トップの6勝目をマーク。通算勝利数を170に伸ばした。「今年一番(の投球)でした」と胸を張った。

 プロに入って19年目、ちょうど400度目の先発マウンドは力強さが光った。140キロ台後半の直球を軸にソフトバンク打線をねじ伏せた。5回には球場の球速表示で155キロと表示され「うそつけ、と思いました」と周囲を笑わせたが、「全部の球が良かった。1人1人集中して投げられた」。球速以上の球のキレを見せつけた。通算170勝目にもなり「よく頑張ってきたな、とは思います。いい時だけじゃない中で、それでも投げさせてもらえたことの積み重ね。首脳陣の方たちに感謝したい」と振り返った。

 東北6県で試合を行う東北シリーズで今季は岩手、福島、山形と3連敗中。

また弘前の試合はここまで4連敗中だった。岸自身、楽天移籍後初の地方開催勝利に「年に1度。弘前の皆さんの前で投げることができて、勝つことができて最高です」と笑顔。「この状況で勝てたのは大きい」と上位を見据えた。CS圏内を目指すチームをベテラン右腕が引っ張っていく。(有吉 広紀)

 ◆記録メモ 岸(楽)は通算405登板のうち、先発登板が400試合(リリーフで5登板)。先発だけで400試合以上は22人目。一方、通算400登板以上の投手は212人いるが、リリーフで5登板は、549登板のうちリリーフで18登板の石川(ヤ=先発531)より少ない最少登板数だ。

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