◆JERA セ・リーグ 中日0―2ヤクルト(26日・バンテリンドーム)

 クールな男が感情をむき出しにした。味方が1点を先制した直後の4回。

ヤクルト・小川は2死一、二塁でチェイビスを直球で空振り三振に仕留め、珍しくほえた。「点を取ってもらった後でしたし、何とかゼロでいきたかった」。この難局を脱し、リズムに乗った。

 クイックや左足を上げるタイミングと幅を微妙に変えることで相手打線に的を絞らせず。無四球と制球力も抜群だった。週はじめに救援陣を休ませる8回無失点で4勝目をつかんだ。

 前回11日のDeNA戦(神宮)の勝利後に高津監督から「まだまだ老ける年ではない」とハッパをかけられた。投手陣の大先輩で現役最年長45歳の石川の背中を追う“働き盛り”の35歳が、地元で家族が見守る中で意地を見せた。対中日戦の連勝も5に伸ばし、負ければ自力CS消滅の可能性があった危機も救ったヒーローは、心地良い疲労感に包まれ帰りのバスに乗り込んだ。(長井 毅)

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