オリオールズの菅野智之投手が、密かなるメジャー記録を樹立していた。25日(日本時間26日)、本拠地でのレッドソックス戦で新人捕手のバサロと初バッテリー。

今季の新人最年長となる35歳と318日を迎えた菅野がマウンドに上がり、21歳と12日になったメジャー最年少選手がマスクをかぶった。球団広報によると、年齢差「14年と307日」は、新人バッテリーとして、ボルティモア移転の1954年以降、球団史上最大ということだった。

 一夜明け、球団広報は更に記録を追究。その結果、1937年10月2日のワシントン・セネターズ戦で、バッテリーを組んだフィラデルフィア・アスレチックスのビル・カルファス投手と、アーリー・ブロッカー捕手の年齢差「14年と302日」を、上回り、1900年以降の近代野球ではメジャー史上最大の年齢差であることが分かった。カルファスは21歳と213日、ブロッカーは36歳と146日。こちらは、捕手が先輩だった。菅野は今季6敗目を喫したが、歴史的な一戦となった。

 菅野は「まだ経験は浅くて、どうしたらいいか分からないことばかりじゃないかと思うんですけど、その中でベストを尽くしてくれた。僕も一応プロの世界で長くやってきてるので、伝えられるものがあればうれしい。残り試合でまた組む機会がある思うので、協力してやっていければと」と一回り以上年下の捕手にサポートを約束。バサロは「ルーキーだけれど、彼は日本で長い実績があることを知っている。14歳差のバッテリーは、クールなこと。

うれしかったのは、いいコミュニケーションを取れたこと。6種類の球種を操る投手の球を受けたことはあるけど、全ての球種であのレベルの投手と組んだのは、初めて」と語った。

 バサロは今月17日にメジャー昇格。2012年のマチャド以来、デビューから3試合で5打点をたたき出し、22日には、8年総額6700万ドル(約98億円)の延長契約を結んだ。激動の10日間を「エキサイティングでちょっぴりクレイジー。良いことが次から次へと起きたから」と振り返る。背景には、捕手陣の故障禍がある。正捕手ラッチマン、控えサンチェスらが次々と戦列離脱。プロ5年目のバサロが昇格した。今季メジャー最多で球団史上最多の63選手がメジャー登録されたオ軍にとって、1シーズンに7捕手が起用されるのも、初めてのこと。菅野が夢を諦めず、35歳で海を渡った新天地で、7人目の捕手が起用されたことで、クールでマニアックなメジャー記録が誕生した。

編集部おすすめ