◆米大リーグ ドジャース6―3レッズ(26日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が26日(日本時間27日)、本拠地・レッズ戦に「1番・DH」でフル出場し、4打数1安打1打点。来年シリーズ60周年を迎える「ウルトラマン」が来場した一戦で6回に7試合ぶりのタイムリーとなる“光速”右前安打を放つなど、チームを3連勝に導いた。

単独首位を守り、地区Vマジックは「28」に減少。13連戦最終戦となる27日(同28日)は二刀流出場で、749日ぶりの勝利を狙う。

 まばゆい光を放つ「スペシウム光線」ばりの打球が、大谷のバットから生まれた。5―1の6回2死二塁で迎えた4打席目。2番手左腕スーターから速度111・3マイル(約179キロ)のレーザーのような鋭い当たりを右前に放った。8月18日(日本時間同19日)の敵地・ロッキーズ戦以来、7戦ぶりの適時打。直近4戦1安打、打率7分1厘と不振に陥り、“カラータイマー”が点滅しかけていたが、復調の兆しがのぞいた。

 ウルトラマンと宿敵バルタン星人が駆けつけ、試合を盛り上げた一戦。守ったのは地球ではなく、単独首位だった。3連勝で地区優勝マジックは「28」に減り、投打がかみ合ってきた。ロバーツ監督も「チームが本来の力を発揮して戦う姿を見るのは本当に楽しい」とほくほく顔。「フォッフォッフォッ」といわんばかりの不敵な高笑いも見せた。

 大谷とウルトラマンには不思議な縁もある。円谷プロダクションと米ネットフリックスが共同製作し、昨年6月に全世界で公開されたCGアニメ「ウルトラマン・ライジング」では、スーパーヒーローに変身する能力を持つ主人公が、普段は野球選手でドジャースから日本球界に移籍した設定だ。作品中にはなんと「大谷」という実名も登場しており、決してつながりは浅くなかった。

 13連戦最終戦となる27日(同28日)では11度目の先発マウンドに向かう。昨年達成した「50―50」を記念した今季3度目のボブルヘッド人形の配布日だ。昨年8月28日のオリオールズ戦ではデコピンの始球式を成功させ、先頭打者本塁打。今年4月2日のブレーブス戦ではサヨナラ弾、5月15日のアスレチックス戦では2打席連発など、3度続けてドラマを演出している。二刀流で5イニングを投げる見込みで、エンゼルス時代の23年8月9日(同10日)のジャイアンツ戦以来、749日ぶりの勝利にも期待大。今回もヒーローの座は譲らない。(竹内 夏紀)

 〇…ウルトラマンとバルタン星人がドジャースタジアムに上陸した。来年60周年を迎えるウルトラマンシリーズが、球団と共同イベントを実施。試合前には、ウルトラマンがバルタン星人を投げ飛ばす演出で球場内を沸かせ、始球式は円谷フィールズホールディングスの山本英俊代表取締役社長グループCEOが務めた。

試合中には大型ビジョンで観客がウルトラマンのポーズを披露するファン参加型の企画も行われた。

 ◆ウルトラマン 円谷プロダクションが1966年に放送開始した特撮テレビドラマに登場する巨大ヒーロー。身長は40メートル以上で、必殺技は両手を交差させて放つ「スペシウム光線」。初代ウルトラマンは、地球上ではエネルギーが基本3分しか保てない活動制限があり、普段は胸についたカラータイマーが青く光っているが、時間の経過やパワー不足に陥ると赤色に点滅する。カニのような大きなハサミの手と、「フォッフォッフォッ」と独特の甲高い笑い声が特徴のバルタン星人は、最大のライバル的存在。

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