◆JERA セ・リーグ 広島3―2巨人(27日・マツダスタジアム)

 巨人が広島に敗れ、3連敗で借金1に逆戻りした。雨天のため1時間遅れの午後7時に試合開始。

先発の森田駿哉投手(28)は5回に投手・大瀬良の安打から3失点。4回1/3を7安打3失点で3敗目を喫した。5回まで1安打とエンジンのかかりが遅い打線は6回、浅野翔吾外野手(20)の2点二塁打で1点差に詰め寄ったが、反撃もそこまで。3連勝後に3連敗と波に乗れず、首位・阪神とは今季最大15ゲーム差となった。

 判定は覆らず無念のゲームセットとなった。1点を追う9回1死一、三塁でリチャードが一ゴロ。一塁手のモンテロが一塁ベースを踏んでから本塁に送球し、三塁走者の門脇がヘッドスライディングも、判定はアウトとなった。捕手の会沢と交錯したように見え、阿部監督がリクエストを要求したが、リプレー検証の結果、コリジョン(衝突)ルールは適用されずアウト。カープナインが歓喜に沸く中、阿部監督は審判団と数分間、会話した。

 「コリジョンの説明を受けたんですけど。流れの中で起きたからオッケーっていうね。それが一応、確認できました。

僕が聞いていたのは、捕手はああいうプレーの時はベースの前にいなくちゃいけないんじゃないですかっていうのは確認したんですけど。(審判は)そうです、と。けど、流れの中でああなったのでっていうから。走路は空いてましたと。だけど交錯しているからね。流れの中でああいうブロックはしていいんだなって思っちゃいますよね」

 会沢もショートバウンドする送球を必死に捕球した結果だが、門脇と接触はしていた。「流れの中だったら(捕手は)あそこ(本塁ベース上)にいていいってことになっちゃうから、そこはいかがですかって聞いたんだけど。流れの中だったら何でもいいみたいなので、それが確認取れました」。阿部監督は悔しさを押し殺して冷静に話した。

 激しい雷雨のため開始遅延。午後6時頃に天候が回復すると、球場の左翼後方には二重の虹がかかった。1時間遅れで7時にプレーボールがかかった。

 先発の森田は0―0の5回、先頭の9番・大瀬良の右前安打から3連打などで3失点。大瀬良に2打数2安打され、5回途中3失点で降板し「大瀬良さんに2本打たれたのが全てです」と猛省した。26日も戸郷が9番・床田の安打から失点したが、相手投手の安打が2試合連続で失点に直結したのは痛恨だった。

 打線は前日に続き5回まで無得点と序盤に沈黙。5試合連続5回まで1得点以下だ。最近10試合は4勝6敗で、その間8試合が5回まで1得点以下と攻撃陣のエンジンのかかりが遅いのは気になるところだ。大量リードの勝利か接戦の敗戦という展開が多く、10試合連続で守護神マルティネスの登板機会がない。

 3連敗で借金1。首位・阪神と今季最大の15差に開いた。「明日、切り替えて頑張ります」と阿部監督。マツダでは今季2勝8敗。苦しい状況が続くが、このまま終わるわけにはいかない。

(片岡 優帆)

 〇…試合後、審判団は9回の捕手・会沢と三塁走者の門脇が接触したプレーについて控室で30分以上、ミーティングして検証。責任審判で二塁塁審を務めた山本貴則審判員は、コリジョンルールを適用しなかったことについて「タイミングがアウトで走路が空いていたので。捕手の立ち位置を含めて難しい判断だったが、完全にアウトのタイミングだったので総合的に判断した」と説明した。

 ◆コリジョンルール 本塁上での危険な衝突を防ぐための規定で、16年から導入された。走者の進路を空けるため、捕手は本塁をふさぐことができなくなり、走者はタックルが禁止される。審判が判定に必要と認めればビデオ判定も行われ、危険なプレーを行った選手には審判からの警告や退場が宣告される。

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