パ・リーグ 楽天1―3ソフトバンク(27日・秋田)

 プロ野球史上初の偉業でリズムが生まれ、首位を守った。100本塁打到達者では前人未踏。

ソフトバンク・今宮健太内野手(34)が史上4人目の通算400犠打を達成した。4回無死一塁で、見事にボールの勢いを殺して捕手前へ。「犠打を積み重ねていくことは、プロとして活躍し続けることとイコール」と熟練の技で追加点を呼び、連敗を4で止めた。

 堅実な攻撃でリードを奪い、投手力を発揮。最短で30日に優勝マジック23が点灯するが、小久保監督は「きょうみたいな試合を続けましょう」と納得した。地に足を着けた戦いを支える男が大技・小技で刻んだ数字を「こんな選手はなかなか出てこない。連盟表彰はないけど、プロ野球に名を残す」と称賛。22日の日本ハム戦(エスコン)で100号に到達したばかりだが、今宮本人は「バントがなかったら、ここに立っていない」と原点での節目をかみしめた。

 明豊(大分)で高校通算62発の大砲も「まずできることは守ること、バント」と入団時を回想。「思えば、いつもバントして、ほとんど次の打者が打って」。ゴールデン・グラブ賞5度の守備とともに常勝軍団の象徴。「1、2年目は本当にできなくて、練習して」と振り返るが、いまも不変だ。

打球を転がす方向に目印を置き、地道な反復。立場は変わっても「やるべきことをしっかり」と貫いてきた。

 「上に3名ものレジェンドがいます。近づくためには、けがをせずに出続けることが最低条件」。左脇腹痛から19日に復帰したベテランは、やはり優勝争いに欠かせない。(安藤 理)

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