パ・リーグ 西武3―2日本ハム(27日・ベルーナドーム)

 27日の西武―日本ハム戦(ベルーナD)の9回、日本ハムの攻撃中に球場の一部で停電が起き、ゲームが4分間中断した。グラウンドの照明が無事だったため続行。

西武が逆転勝ちを収め、日本ハムは首位ソフトバンクに1ゲーム差に離される痛恨の敗戦を喫した。異様な雰囲気となった球場の様子を、西武担当の大中彩未記者が「見た」。

 静まりかえった球場に打球音とファンの声援が響き渡った。9回表、日本ハムの攻撃。この回から登板した西武の守護神・平良が先頭の田宮に1球目を投じたその瞬間、中堅後方の電光掲示板から一切の明かりが消えた。記者のいた記者席も照明、冷房共に消え、蒸し風呂状態になった。一部のファンからはどよめきが起こった。停電時に左翼を守っていた渡部聖は「不思議な感じ」と苦笑い。中堅を守っていた長谷川は「こっち(グラウンド内)はついていたのでどうしたのかなって」と振り返った。

 球場の照明は瞬時にバックアップの電源に切り替わったため、場内が暗闇に包まれることはなく4分の中断を経て試合は再開したが、アナウンスも登場曲も聞こえない異例の状況のまま試合終了となった。

 調査中の段階ではあるが、試合序盤から鳴り響いていた落雷が原因とみられ、VIP席、試合中継車の電源、球場裏の駐車場の照明も全て消え、選手ロッカーも真っ暗になった。炭谷は「こんなの初めて。

汗かいてるから風呂に入りたいけど、暗いから帰る」と入浴を諦め帰宅。児玉は「シャワー浴びたけどドライヤー使えませんでした」と笑い、外崎は「高松(渡)がスマホで照らしてくれて風呂入れました」と仲間に感謝を述べた。

 音響系統もダウンしたため試合後のヒーローインタビューは中止。テレビ中継も途切れ、ラジオにも不具合が生じ、ネットでの速報も更新されなくなった。携帯電話の電波も急激に弱まった。通常であれば勝利時に流れる球団歌「地平を駈(か)ける獅子を見た」が球場に流れることもなかったが、西武ファンが一致団結しアカペラで歌い上げる声が場内に響いた。

 ◆記録メモ 27日の西武―日本ハム(ベルーナD)で9回表に落雷とみられる部分停電で4分中断。照明等故障・停電による中断は最近では13年4月25日のヤクルト―広島(神宮)で11回裏に電光掲示板の故障で4分中断した例がある。00年5月17日には阪神―ヤクルト(甲子園)、近鉄―西武(大阪D)、オリックス―日本ハム(神戸)の関西3球場が落雷の影響で停電。甲子園、大阪Dはともに2度中断。神戸は電光掲示板が約2分間消えたが、中断はなかった。

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