◆米大リーグ ドジャース5―1レッズ(27日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が27日(日本時間28日)、本拠地・レッズ戦に「1番・投手」で先発し、今季11登板目で最長で最多の5回87球を投げて、2安打1失点、9奪三振で、エンゼルス時代の23年8月9日(同10日)のジャイアンツ戦以来749日ぶりの白星となる今季初勝利をつかんだ。打っては5打数1安打だった。

 大谷は「勝ち星は打線との兼ね合いがあるので気にしてもしょうがない部分もあるんですけど、前回、前々回と5イニング投げきりたいなという中でなかなか球数もかさんでヒットも打たれて投げきることができなかったので、きょう改めて5回投げきったということが、ひとつ1番いいところかなと思っています」と淡々と振り返った。

 今季11度目のマウンドに上がった大谷。初回は先頭打者に安打を浴びるも、2者連続三振を奪うなど、後続を抑えた。2回は1死から2四球と2暴投で二、三塁のピンチを背負ったが、この日最速の100・3マイル(約161・4キロ)を計測するなど2者連続三振で切り抜けた。

 3回は1死からマルテに甘く入ったカットボールを捉えられて11号ソロ。先取点を献上した。4回はこの試合初めて3者凡退。打っても1打席目は左飛に倒れたが、4回裏先頭の2打席目にチーム初安打となる右前安打を放って出塁すると、1死満塁のチャンスを作ってE・ヘルナンデスが逆転の2点適時打を放って試合をひっくり返し、ラッシングも2死満塁で2点適時打を放ってリードを3点に広げた。3点リードの8回にはコンフォートがダメ押しの10号ソロを放った。

 リードをもらった5回は3者凡退。5回、87球は今季最長で最多で、9奪三振も今季最多だった。エンゼルス時代の最終登板となった23年8月23日(同24日)と同じレッズを相手に、今季11度目の登板で移籍後初白星をつかんだ。

 昨季からドジャースに加入した大谷。37歳ながら今季9勝を挙げ、通算221勝のレジェンド左腕・カーショーの姿は自然と目で追ってきた。「登板日は集中しているところを見ると、この集中力を長い年月続けていくというのは大変なことだと思いますし、その中で素晴らしい成績を残すことは尊敬に値するところではあるので、本当に毎日見ていて勉強になることばかりです」。左腕で技巧派のカーショーに対し、速球を中心に組み立てる右腕の大谷と、対照的な投手にも映るが、長く活躍することを目標にする大谷にとって、ドジャース一筋で白星を積み重ねてきたカーショーの存在は大きかった。

 ドジャースでの初勝利。新天地でも多くのサポートを受けてきたとあって大谷は「ドクターもそうですし、トレーナーの人たちにも毎日ケアをしてもらって、本当にありがたいなと言うのが1番かなとは思っています」と、復帰星まで導いてもらったドジャースの関係者に感謝していた。

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