◆米大リーグ ドジャース5―1レッズ(27日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が749日ぶり、移籍後初の勝利投手となった。23年9月に2度目の右肘手術を受け、24年のド軍入団後に投手復帰へのリハビリを二人三脚で支えてきたヘッドアスレチックトレーナーのトーマス・アルバート・トレーナーがスポーツ報知に手記を寄せた。
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翔平が投手に復帰して、勝利をつかめたことは自分もうれしくて、興奮している。しっかりとリハビリをしてきた。だから再びマウンドに立って、これまで長い間取り組んだことを発揮する日々は楽しいよ。
翔平のリハビリは特別だった。リハビリをしながら、DHで試合に出続ける…。こんな選手は見たことがない。全く新しいケースだった。トレーナーとして懸念していたことは、打者としても出場することで、体がどのような反応をするか。特に腹斜筋や腰などに負担がかからないかということを常に考えていた。これまでのサンプルがないので、翔平の体調や感覚に頼る部分も多かった。彼が「昨日は少しきつかった、もう1、2日休みが欲しい」といえば調整するようにした。彼はウェートトレーニングを好んで行うので、やり過ぎないように管理しなければいけなかった。
話し合って調整 全てが順調だったわけではない。キャンプ中の3月はブルペン入りをやめた。あの時、彼は我々に「痛みを感じている」と伝えてくれたんだ。大きな痛みではなかったようだけど、いったん強度を落とした。開幕直後の3月下旬に「状態が良くなった」と言ってきたので、投手コーチやフロントにも伝えて投球を再開させた。彼がしっかりと状態を伝えてくれるので、こちらとしても助かっていたよ。
試合で登板しながらリハビリを進めるという方法も、彼との話し合いで出たアイデア。試合前にライブBP(実戦形式の練習)で登板して、夜に試合に出るということは負担が大きかったから調整する必要があった。試合で投げられるだけの準備はできていたしね。とはいえ、6月の初登板で100・2マイル(約161・3キロ)を出したのにはとても驚いた。それまでは97マイル(約156キロ)が最速だった。それだけの球速が出ることは知っていたけど、トレーナーとしてはもちろん心配もあった。
去年のワールドシリーズでは左肩を脱臼した。あの時点で医師は「状態がこれ以上悪化することはない」と言っていた。つまり、あの時点で手術が必要なことは決まっていた。もちろん彼が「無理」と言ったら、強行させることはなかったけど、彼は出場できるという判断をした。
翔平のやっていることは本当にすさまじい。クレイジーだよ。投げて、打つ。それをともにトップレベルでやっている。80マイル(約129キロ)の投手で、打率2割5分の打者ではない。
◆大谷の投手復帰白星まで(全て現地時間)
▼2023年8月9日 本拠地ジャイアンツ戦で6回3安打1失点(自責0)で10勝目。
▼同23日 右腕の疲労を理由に中13日で本拠地レッズ戦で先発も2回途中に緊急降板。右肘内側側副じん帯の損傷が判明。
▼9月19日 ロサンゼルス市内の病院で右肘手術を受ける。
▼24年2月29日 真美子夫人との結婚を発表。
▼3月25日 キャッチボール再開。
▼8月22日 ブルペン投球を再開。
▼25年2月15日 24年の左肩手術後初のブルペン入りで最速94マイル(約151キロ)。
▼4月19日 長女の誕生を発表。
▼5月25日 ライブBPに右肘手術後初めて登板。
▼6月16日 本拠パドレス戦で663日ぶりに復帰登板。1回1失点。