ヒリつくマウンドに帰ってきた。R・マルティネス投手(28)が聖地の大声援をため息に変えた。
プロ野球史上最速で200セーブを達成した15日の阪神戦(東京D)以来、12戦ぶりの出番。ブランクを感じさせないマウンドさばきだった。前回登板以降はチームに大勝、敗戦が続きセーブシチュエーションに3カード恵まれなかった。久々の登板が伝統の一戦。しかも直前の8回に3点差から大勢が2者連続被弾。完全アウェーの重圧に負けず猛虎を止めた。力を制御しながらも最速は154キロ。スプリットの落ちも抜群だった。
自信があったから断った。阿部監督の「調整登板する?」の配慮に「ひたすらセーブ機会を待つ」と答えた。打者を立たせてのイメージトレーニングを欠かさず、この期間はブルペンに入り続けていた。黙々と練習を続ける姿に、ブルペン捕手も「ザ・プロフェッショナル」とうなった。
“先生”としても一役買っている。中継ぎ転向1年目の田中瑛には熱血指導の日々。「普段からもっと球数を減らして準備した方がいい。シーズンを完走するだけなら今のでいいけど、それで終わりじゃない。プレーオフを考えた方がいい」。7年連続40登板以上、キューバ代表での実績も十分。キャリアハイを更新中の田中瑛は「参考になることばかり」と心から感謝する。
今季初黒星を喫し、開幕からの連続試合無失点を31で止められた7月3日以来の甲子園。