第96回都市対抗野球大会が28日に東京ドームで開幕し、7年連続46度目の出場となるヤマハ(浜松市)は、9月1日にホンダ熊本(大津町)と1回戦を行う。長年チームを支えたベテランたちが引退し、若返りを図った今季。
今年のヤマハには、頼もしい切り札がいる。35歳の矢幡だ。昨年の都市対抗では10年連続本大会出場で表彰された。スタメンに新人が並ぶ中、役割は主に代打だが、申原直樹監督(46)は「大事な場面では矢幡」と信頼を寄せる。「力強い振りを見せて、若手に行動で示す」と気合十分だった。
代打が続いていた6月の東海2次予選では西濃運輸、王子に連敗して、東邦ガスとの第5代表決定戦に回った。指揮官は「悪い雰囲気を打開してくれる」と、王子戦で代打逆転2ランを放っていた矢幡を「1番・DH」で起用。「負けが続くと振るのが怖くなる。その中でどれだけ振れるかが大事」。ベテランは3安打3打点をマークし、15―1の圧勝に貢献した。
昨季まで不調時は打ち込みすぎて疲労をためがちだった。コーチ兼任になってメディシンボールを活用するなど効果的なトレーニングで体のひねりを鍛え、好調な打撃につなげた。得意の走塁ではリード幅などの指導を徹底し、相手に機動力を警戒させている。「指導したことを試合でやらないといけない。兼任ならではの緊張感があります」。若手の手本となりながら、1990年以来の優勝へ引っ張る。
(伊藤 明日香)
◆矢幡 勇人(やはた・はやと)1990年5月23日、神奈川県生まれ。35歳。相洋高から専大に進学し、2013年にヤマハに入社。15年に都市対抗に初出場し、17年は三菱自動車岡崎、18年は王子の補強選手として出場。今季から走塁コーチ兼任。174センチ、86キロ。
〇…大卒新人の森川凌内野手(22)が4番打者として都市対抗に初出場する。「自分の一打で勝ったと思える試合を優勝までの試合すべてで続けたい」。入社後、捕手から転向。当初は指名打者だったが、6月からは一塁手としてプレー。守備練習が打撃のキレにつながり、好調をキープしている。申原監督も「(チームで)新人の4番は知らない。想像を裏切るような活躍をしている」と目を細めた。