バドミントン 世界選手権最終日(31日、パリ)

 決勝が行われ、女子シングルスで世界ランク5位の山口茜(28)=再春館製薬所=が3度目の頂点に立った。21年東京五輪金で同4位の陳雨菲(ちん・うひ、中国)を2―0で破った。

21、22年大会の2連覇に続く、全種目を通じて日本勢では初の世界選手権3度目制覇となった。

 山口は常にファンの応援を感じながらプレーしている。16年に社会人になってから毎年、年末になるとSNSで珍プレー&好プレー大賞を発表している。その年の自身のプレーの中から、ファンに投票で選んでもらうもので「皆さんが楽しみにしてくれるから」と続けてきた。自ら投票数を確認し、動画も編集して載せる徹底ぶり。1年間の感謝を伝える機会にし、動画をまとめながらプレーの気づきもあり、大切な時間だ。

 「一番楽しめなかった」と明かすのが、コロナ禍で無観客開催だった21年東京五輪。自国開催の重圧もあったが、それ以上に苦しめられたのは「いいプレーをしても拍手がなく静か。調子が上がらない時に盛り上げてくれる人もいない。自分にとってはすごく難しかった」と振り返る。今大会、客席からの拍手で波に乗った。ファンの支えがあって成し遂げられた偉業だった。

(宮下 京香)

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