第32回U-18W杯(5~14日・沖縄)で連覇を目指す侍ジャパン高校日本代表は2日、沖縄県高校選抜との壮行試合(セルラー那覇)に臨む。高校日本代表の先発は今夏の甲子園を制した沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞(2年)、沖縄県高校選抜の先発はチームメートの最速146キロ右腕・新垣有絃(2年)が務めることになり、超満員札止めが予想されるセルラー那覇で「沖尚対決」が実現する。

 この日、セルラー那覇での練習を終えた末吉は、夢の対決へ気合をにじませた。

 新垣との投げ合いに「友達でありながら、同じチームとしていいライバルだと思うので、その中でしっかり投げ負けないという気持ちを持ちながら、試合に挑めたらいいと思います」

 開場以来、セルラー那覇の最多観客数は2014年11月20日、侍ジャパントップチームとMLBオールスターチームが激突した際の1万7941人だ。今回、チケットは完売状態にあり、最多記録の更新も期待される。

 「満員のセルラーということで、自分の持ち味である速いまっすぐと、キレのある変化球を使いながら空振りを取るようなピッチングをして、チームを勝たせるようなピッチングを最優先にしていこうと思います」

 この日はブルペンで小倉全由監督(68)が見守る中、カーブ、スライダー、フォークも交えて20球を投げた。「この日のためにしっかり準備してきたので、甲子園後の疲れを見せずに、一番は自分のピッチングができて、その結果、いい成績を出せればいい」と瞳を輝かせた。

 客席は沖縄県高校選抜の応援が圧倒的と予想される。「アウェーな球場の雰囲気になっても、先輩方らジャパンの選手一人一人は、球場の雰囲気をこっち側に持ってくる力があると思う。アウェーでも関係なく、自分たちの野球が出来れば」と末吉。沖縄尚学の3年生が並ぶ打線にも「この沖尚の先輩の方々たちと、今まで一緒に2年間ぐらいやってきた。今までやってきた集大成というのを見せつけることができるならいいと思います」と意気込んだ。琉球の風に吹かれ、JAPANの誇りを胸に、左腕を振り抜く。(加藤 弘士)

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