◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座統一戦12回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 武居由樹―クリスチャン・メディナ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 高田勇仁―松本流星(9月14日、名古屋・IGアリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=に挑むWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=が1日、横浜市内のジムで練習を公開した。尚弥のキャリア最強の挑戦者は手の内をほとんど見せず「総合力は井上より上」と豪語し、モンスター狩りに自信を示した。
強い覚悟を示した。アフマダリエフは「井上に勝って、歴史を作るために日本に来た。この試合に150%懸けている」ときっぱり。尚弥を上回る点を聞かれると「パンチ力、技術、耐久力、考える力、私は総合的にすべてを持っている」と胸を張った。
試合3週間前の8月24日に来日。異例の早さで現地入りし入念な調整を積んでいるが、公開練習は短時間のシャドーボクシングと軽めのミット打ちだけで終了。ほぼ手の内を見せず「試合で何をやるべきか、何をやらないべきか、プランはあるが今は言わないでおく。試合当日に見ていただければ」と煙幕を張った。
視察した真吾トレーナーの目が光る。アフマダリエフの「総合力は上」との発言に「総合力では向こうもパーフェクトな円を描いていると思うが、すべてにおいてさらに一回り大きくしたのが尚弥」と断言。
尚弥はアフマダリエフを「キャリア最大の強敵」と警戒し、万全の準備を積み重ねている。アフマダリエフに唯一の黒星をつけた元世界統一王者マーロン・タパレス(33)=フィリピン=をスパーリングパートナーに招へい。8月上旬には帝拳ジムでプロデビュー後初の出稽古も敢行。真吾トレーナーは「精神面のコントロールなど、いろんな意味で、いい確認ができた」と収穫を明かした。
パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強ランキング)2位の4団体統一王者・尚弥と、リオ五輪銅メダリストの元WBA・IBF統一王者。両者の「総合力」がぶつかり合う一戦となる。(勝田 成紀)
〇…WBAが日本時間1日に発表した最新の世界ランキングで、WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=がスーパーバンタム級の世界ランキング1位にランクされた。来年5月ごろに東京ドームで計画される尚弥との対戦が近づいた。中谷は尚弥戦を見据え、バンタム級の2本のベルトを近く返上する意向を8月上旬に明言している。次戦は未定だが、すでに尚弥の階級への転級を見据えた練習に取り組んでいる。