◆JERA セ・リーグ 巨人2―3広島(11日・東京ドーム)
6回以降、無安打で策もヤマ場もないまま試合が終わってしまった。8番・二塁に増田大を入れたのは、吉川の体の状態が良くないから無理はさせたくないということだったのだろうが、7回の先頭・増田大の場面では、代打はなかっただろうか。
中5日で先発した山崎は、軸になるシュート系の球がいいところに決まらず、決して好調ではなかった。大勢がベンチ入りを外れていたし、欲を言えばもう1イニング投げてほしかったが、それでも熱くなり過ぎず、冷静に気持ちを保つ“大人のピッチング”でゲームは作った。
だが、山崎が投げる試合は勝ってくれないと困る。5日の中日戦では2安打1失点で完投しながら打線が1点も取れずに負けている。打者はその借りを山崎に返すために、何とか食らいつくとか策を講じるとか、もっと熱くなってほしかった。
6連敗していた広島の息の根を止めるためにも一気に3連勝し、DeNAとの差を2.5に広げる大きなチャンスだったのに、全体的に淡々とした敗戦。残り14試合が、少々不安になる黒星だった。(スポーツ報知評論家・高木 豊)