パ・リーグ 日本ハム10―4オリックス(11日・エスコンフィールド)

 2位の日本ハムが電光石火の速攻で2連勝し、首位ソフトバンクに2ゲーム差と再接近した。プロ初勝利を目指したオリックスの2年目左腕・東松(とうまつ)に初回から襲いかかり、打者一巡で7安打6得点の猛攻。

16安打10得点で、頭部にバットが直撃し入院中の八木裕打撃コーチ(60)に最高の“お見舞い”を届けた。ソフトバンクは最下位のロッテに大敗して3連敗し、優勝マジックは15のまま。熱パがまたヒートアップしてきた。

 快音が止まらない。日本ハム打線が一気の攻めで、オリックス投手陣をのみ込んだ。初回先頭の野村から怒とうの5連打。この回7安打を集中、打者一巡で一挙6点を奪った。初回に6得点以上は、11得点を挙げた21年9月11日以来、ちょうど4年ぶり。新庄政権初となる初回の猛攻で、終わってみれば16安打10得点。頭部にバットが直撃し入院中の八木打撃コーチに、最高の“エール”を届けた。

 9日のソフトバンク戦(エスコン)、8回に近藤が二飛に倒れた際に折れたバットが一塁ベンチへ。打球を目で追っていた八木コーチの左側頭部を直撃した。

頭蓋骨骨折はなかったが、脳内には一部出血と腫れが確認され、札幌市内の病院に入院。1週間程度の予定だが、この試合から横尾2軍打撃コーチが1軍に合流した。試合前のミーティングでは、林ヘッドコーチが「八木さんのために勝とう」と呼びかけた。今川も「戻ってきたときには、1位を取ってるぐらいの勢いでやりたい」と意気込んだ。

 “新庄マジック”も決まった。先発した2年目左腕・東松に対し、今季初めて野村を1番で起用。新庄監督は「きょうの打線は結構時間かかりましたね。先頭バッターが初回にああいうヒットを打ってくれると乗る」。4年前から大きく変わった打線で、唯一両方でスタメン出場した男が猛攻の口火。5点を奪った後の1死二、三塁では、ファウルになったが田宮に2ランスクイズを指示するなど、攻撃の手を緩めなかった。

 敵地でオリックスに3連敗した悪い流れも断ち切り、ホームで2連勝。敗れた首位ソフトバンクに2差と迫った。

新庄監督は「面白くなってきましたね。緊張感持って、毎試合。もう“愉(たの)しむ”ってレベルは超えてきてるから。プレッシャーの中で勝っていく」。安心して静養できるよう、そして早期復帰を願って。八木コーチと共に戦ってきた打線が、逆転Vへの道を切り開いていく。(山口 泰史)

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