岸田は本当に捕手として成長したよね。盗塁阻止率5割なんて見事のひと言よ。

まず何よりフットワークがええよ。正直、純粋な肩の強さだけやったら、小林や山瀬の方が上や。でも岸田は捕ってからの速さと制球力で補っているよね。受けてから「1、2、3」と足を運ぶリズムが抜群。下半身と上半身のバランスもいいから、送球も簡単には乱れない。さらに準備もいいよ。いつでも「走るかも」と警戒しているから、球を握れずにジャッグルする、なんて場面も見ないもんね。

 個人的には本当に感慨深いよ。18年はヘッドコーチを務めていて、岸田の入団1年目を見ていたんやけど、高校1年の時にショートをやっていたからか、ミットさばきも上手やった。でも「簡単に手だけで軽く行くなよ。ちゃんと足使えよ」って口酸っぱく言ったもんや。フットワークも元々軽かったけど、それが今のように足をしっかり運ぶ礎になったなら、うれしいよね。

 今季はFAで甲斐が加わり、序盤は出場機会が限られていた。それでも腐らずに練習を続け、ベンチでもしっかり観察していたということや。これから期待するのは2ケタ本塁打。あと3本、何とか打ってほしいね。(スポーツ報知評論家・村田 真一)

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