アイナ・ジ・エンドや上原ひろみらが出演した昨年のライブイベント「JAZZ NOT ONLY JAZZ」の劇場版(19日全国公開、WOWOW配給)が12日、ドルビーアトモス先行上映初日を迎え、ジャズドラマーの石若駿と音楽評論家の柳樂光隆氏が舞台あいさつに出席した。

 米バークリー音楽院に留学経験のある石若は、東京芸術大学音楽学部器楽科打楽器専攻への入学後に多彩なアーティストとコラボレーションを繰り広げ、現在は“日本一多忙なドラマー”の異名を持つ。

 石若は共演したアイナについて「会場を巻き込んで、歌声で高揚させていく様は感動しました」と絶賛。上原については「ジャズを始めたころにひろみさんのアルバムを聴いて育ったので、今回の競演は感慨深かったです。人間の底力を引き上げるパワーを持った人で、ひろみさんとやることで技術が高くなる感覚がありました」と述べた。

 日本人ミュージシャンと滅多にコラボしない上原の参加に驚いた柳樂氏は「出演すると聞いたときはビックリした。上原さんにしても特別な気持ちを持っての出演だったと思う。それが今回、映画として記録に残ったというのも凄いこと」と見どころに挙げた。

 ほかにも大橋トリオ、田島貴男(Original Love)、PUNPEE、堀込泰行らが出演した「JAZZ NOT ONLY JAZZ」。石若は参加の経緯について「WOWOWさんから打診を受けた際に、面白いことになりそうだという直感があった。音楽的背景と心の距離も近い(自身のバンドである)The Shun Ishiwaka Septetを従えてレジェンドアーティストとコラボする事に可能性を見出したいとも思いました」と説明した。

 実際のセッションでは「みんなでやることで名曲たちが一味違ったものになりました。ジャズをバックグラウンドに持つ人たちは演奏中に思いついたことを瞬間的に生かすので、演奏中に沢山の選択肢が出てくる。それを選んでその場で披露していく様がやっていて面白かった」と手応えを口にした。

 本作のイベント第2弾は18日に、東京国際フォーラム ホールAで開催予定。椎名林檎や岡村靖幸ら豪華メンバーとリハーサル中という石若は「リハの段階で楽しくて面白い。色々な可能性が随所にあるので本番当日はどうなるのか…」と期待をあおった。

 石若はイベントの最後に「みんなが演奏している表情や、その場で起きた臨場感が細かくしっかりと捉えられています。映像も音も素晴らしくて、僕のドラムセットが上から見られるのもレアだと思います」と映画をアピール。柳樂氏も「The Shun Ishiwaka Septetの演奏クオリティがあまりにも高く、その前で歌うミュージシャンたちも緊張感を持って歌っています。バンドメンバーとの関係性を感じながら見てほしいです。ひろみさんも絶賛する石若駿の勇姿も見ていただきたいです」と呼び掛けていた。

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