パ・リーグ 日本ハム5x―4西武=延長11回=(13日・エスコンF)

 ベンチを指さし、絶叫した。日本ハム・清宮幸太郎内野手(26)はヘルメットを投げ捨て、ナインにもみくちゃにされた。

4―4の延長11回2死満塁、山田のツーシームを中前へサヨナラ適時打。「しびれてます。みんなの思いが乗り移って、ファンの声援ももちろんですが、いろんな思いを乗せて打てました」。23年4月1日の楽天戦(エスコン)以来のサヨナラ打で今季チーム最長4時間40分の激闘に終止符を打ち、首位・ソフトバンクとの2・5ゲーム差を死守した。

 新庄監督の信頼に是が非でも応えたかった。4―4の9回2死一、二塁の打席前、指揮官から「頼むぞ」と声をかけられた。だが、結果は中飛。再度のサヨナラ機で「2回(凡退)はないぞと思った。ボスの姿が脳裏に焼き付いていた。期待してもらっていると思って打席に入れた」と気合を入れ直し、劇打につなげた。

 新庄監督は「もう打つと思いましたよ。決めるだろうな」と淡々と振り返った。

期待の高さゆえ、清宮幸には「あんなミスをしてたら、勝てるもんも勝てないね。あんな簡単な」など厳しく接してきたが、この日は珍しく称賛。今季チーム最多の124試合に出場するなど、信頼される主軸に成長しつつあることを証明する一打だった。

 チームは今季9度目のサヨナラ勝ちで、昨季に並ぶ新庄政権最多のシーズン75勝。指揮官は「もう全員で勝ちを取りに行く。当然勝たないといけない。負けるっていう意識は全くないです」と言い切った。残り14戦。たくましさを増したチルドレンと共にラストスパートをかける。(川上 晴輝)

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