◆米大リーグ ドジャース5―0フィリーズ(17日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が17日(日本時間18日)、本拠地・フィリーズ戦に「1番・DH」で先発出場。史上6人目の2年連続50本塁打達成から一夜明け、2試合連発の51号ソロを放ち、3年連続本塁打王に向けてトップのシュワバーの目の前で2本差と肉薄した。

直接対決となった今カードは2発の大谷に軍配。残り10試合で逆転タイトルをハッキリと視界に捉えた。

  打った瞬間だった。打球の行方を誰もが信じて疑わなかった。3点リードの8回先頭。大谷はそれまでの3打席抑えられていた左腕ルサルドのスイーパーが外寄りの甘いコースに来たところを、完璧に仕留めた。打球速度107・8マイル(約173・5キロ)、打球角度32度、飛距離408フィート(約124・4メートル)。2試合連発の51号ソロは美しい放物線を描き、センター右のスタンドに着弾した。

 大谷とシュワバーの一騎打ちとなっている本塁打王争い。直接対決となった今カードは初戦でシュワバーが53号を放ち、一時は4本差となった。だが、第2戦では大谷が投手としてライバルを封じ込め、打者としては2年連続50号。そして最終戦で51号と2発の大谷に軍配が上がった。

「すごい調子のいい時期みたいなものがあんまりなく、ここまで来ている感じ」としながら、年間54発ペース。残り10試合(フィリーズは9試合)で2本差は十分に射程圏内と言える。  ロバーツ監督は「きっといい競争になるだろう」とニヤリ。しかし、話題がMVP争いに及ぶと「彼が打席でやっていること、マウンドでやっていることを考えれば、議論の余地なんてないよ。唯一の心配は投票者が『また翔平か』と感じてしまわないかどうか。でも、それが最も正しい選択肢なんだから」と3年連続受賞に太鼓判を押した。

 この日は「小児がん啓発ナイト」として行われ、患者の子どもたちが制作した選手の似顔絵が球場内のビジョンに表示された。大谷が優しく笑う似顔絵も打席に入るたびに登場。この日最後のチャンスで夢を届けた背番号17は、今季最長の連続試合出塁を「22」まで伸ばした。二刀流で出場した翌日の試合では今季2本目のアーチ。体力面の不安もポストシーズンに向けて拭い去りつつある。

 3連敗を阻止したド軍は同地区2位のパドレスと2ゲーム差をキープ。

地区優勝マジックは1つ減らして「8」とした。最短Vは21日(日本時間22日)。チームの勝利を追い求めたその先に、大谷の逆転タイトルも見えてくる。(中村 晃大)

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