巨人の山口寿一オーナーが17日、都内で行われたプロ野球12球団オーナー会議出席後に取材に応じ、阿部慎之助監督の来季続投を明言した。

 来季は3年契約の3年目。

「阿部監督に立て直してもらう」と話した。

 監督就任1年目の昨年は77勝59敗7分けの貯金18で球団4年ぶりのセ・リーグ優勝。捕手出身の視点で投手中心に守りからリズムを作る野球を浸透させたが、CS最終ステージでリーグ3位のDeNAに敗れて日本シリーズ進出は逃した。

 監督1年目からのリーグ連覇という史上初の偉業に挑んだ今季は、中日から守護神のライデル・マルティネス投手を獲得。ソフトバンクからFAで甲斐拓也捕手を獲得し、前楽天の田中将大投手とも契約。超大型補強で期待が高まった。

 だが、シーズン序盤から主力の故障や不振による離脱が続出。5月上旬からは岡本が左肘じん帯損傷で登録抹消になり、不動の4番が約3か月間不在だった。その間、4番にはキャベッジ、丸、吉川、増田陸、大城卓、坂本、岸田が入り、同一シーズンに8人の4番打者が起用されるのは球団10年ぶりで、打順の試行錯誤が続いた。

 投手は開幕投手の戸郷が不振のため2度の2軍降格など苦戦。山崎がエース級の活躍で先発陣を引っ張り、赤星も奮闘したが、期待された井上やグリフィンが不振や故障などで定着できず、先発ローテのやり繰りも試行錯誤が続いた。

 5月30日に今季最多の貯金6となったが、交流戦は6勝11敗1分け。

その後は勝率5割前後から抜け出せず、阪神の独走を許した。9月7日に阪神に史上最速優勝を決められ、その時点で巨人は貯金1で阪神と17ゲーム差の2位。16日現在で借金1の3位で、CS本拠地開催がかかる2位をDeNAと争っている。

 悔しいシーズンとなったが、我慢強く起用してきた中山ら若手が成長。2年目の泉口は遊撃スタメンに定着して首位打者争い。5月に秋広、大江とのトレードでソフトバンクから加入したリチャードも後半戦で辛抱強く使い、自身初の2ケタ10号本塁打を放って着実に階段を上っている。

 投手では日本ハムから現役ドラフトで獲得した田中瑛のシュートに注目し、右の強打者キラーの中継ぎで欠かせない存在になった。前DeNAの左腕・石川も先発、ロングリリーフとフル回転。誤算の連続だった一方で、投打で来季以降への好材料も多くあった。

 阿部監督3年契約の3年目となる来季は2年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指すシーズンになる。

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