◆第50回アイリッシュチャンピオンS・愛G1(9月13日、レパーズタウン競馬場・芝2000メートル)

 2年連続で参戦したシンエンペラー(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父シユーニ)は坂井瑠星騎手を背に、好発から3番手を追走したが、直線で伸びを欠き、後退し、8頭立ての6着に敗れた。昨年3着のリベンジは果たせなかった。

これまで23年ホープフルS、24年のジャパンCでともに2着だったが、待望のG1タイトルには手が届かなかった。

 制したのは、クリストフ・スミヨン騎手騎乗のアイルランド調教馬ドラクロワ(牡3歳、Aオブライエン厩舎、父ドバウィ)。最後の直線で鋭く伸びて抜け出すと、G1・2勝目を挙げた。勝ち時計は2分4秒69(稍重)。

 2着に英国のアンマート(セン7歳、Oバローズ厩舎、父オータード)が続き、3着も英国のロイヤルチャンピオン(セン7歳、Kバーク厩舎、父シャマーダル)だった。

 シンエンペラーはこの後、滞在先のカラ競馬場からフランスに移動予定。凱旋門賞・仏G1(10月5日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)に転戦し、日本競馬の悲願達成と全兄ソットサスとの兄弟制覇を狙うことになっている。

 矢作芳人調教師(シンエンペラー=6着)「言葉がないですね。(馬の状態は)去年よりはるかにいいと思いましたし、返し馬自体も(坂井騎手が)すごい良かった、ということで、何が何だか、よく分からないです。(坂井騎手は)レース後もまったく分からないと。去年よりはるかにスムーズだったし、馬の状態も去年より全然いいのになぜ走らないのか、という見解は聞いています。(レースは)考えていた通りのポジションでした。

ペースメーカーがいて、2、3番手の内というのは理想のポジションだったと思います。この成績では、何も言うことはないですね。(今後の)プランは変える気はないですけど、あくまで馬の状態を見て判断したいと思います」

 坂井瑠星騎手(シンエンペラー=6着)「落ち着きもあって競馬の感じも悪くなかったですが、結果だけが残念でした。行く馬も、隊列も全て予定通りでした。思っていたよりは馬場もよかったですし、こなせる範囲だったかなと思います。直線の手前ぐらい、内からドラクロワが来たときにはもう手応えがありませんでした。レースが終わってすぐで、ちょっと理由が分からないです。あるとすれば斤量かもですが、それも分からないですね。今日は走りきれなかったですけど、こんなはずではないと思うので、また期待してほしいと思います」

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