◆JERA セ・リーグ DeNA9―7巨人(14日・横浜スタジアム)

 2軍での打席も見てきたが石塚は高卒ルーキーとは思えない、好打者の雰囲気を1軍でも出していた。私は大卒だったがプロ初打席というのは緊張もする一方でワクワクした。

きっと同じような心境だったのではないかと思う。ただ、石塚は高卒ルーキー。この順位争いのまっただ中に2軍で成績を残して戦力として1軍に来て、打席に立った。それだけで大したものだ。

 結果は最後に外角低めのカーブを見逃して三振。これは相手を褒めるしかないコースだった。それよりも追い込まれてから、1軍の勝ちパターンの投手の150キロをゆうに超える真っすぐについていって、ファウルにしていたことにセンスを感じた。石塚は良さの一つはバットの軌道。インサイドアウトできれいに体の近くを通る。その良さがあるからこそ、初球のカーブを頭に入れながらも、あれだけの速い球についていけたのだと思う。

 1軍をこの時期に経験するメリットは大きい。技術面だけでなく、ピリピリした雰囲気の中でレギュラーがどういう準備をしているのか自分の目で見られるし、相手の一流選手のプレーも目の当たりにできる。

久々のスタメンだった大卒ルーキーの浦田もそうだが、とても大きな財産になるし、それを生かせる選手に成長してほしい。(野球評論家・清水 隆行)

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