◆JERA セ・リーグ DeNA9―7巨人(14日・横浜)

 黒く焼けた肌が、横浜スタジアムの照明のもとでひときわ目立った。巨人のドラフト1位・石塚裕惺内野手(19)がプロ初出場を果たした。

この日、吉川の登録抹消に伴い初の1軍昇格。7回の守備から途中出場。増田大とベンチ前で肩を作り、緊張した面持ちで遊撃のポジションへ走った。「2位争いが激しくて、その中でこんな緊迫する場面にベンチで立ち会えて、試合にも出させてもらったので、本当にいい経験になりました」。守備機会はなかったが、大きな一歩を踏み出した。

 8回2死二塁ではプロ初打席に立った。投手はウィック。「真っすぐ一本で、前で打とう」。初球のカーブを見逃すと、そこから4球連続でファウル。最後はカウント0―2から外角低めにナックルカーブを決められた。「見逃し三振は何も起こらない」と反省し「本当にこういう投手がいっぱいいるのが1軍。今日の残像とか軌道とかを忘れないうちにもう一度取り組みたい」。

次なるステップへ、すでに歩み出した。

 巨人の高卒1年目の野手では23年の浅野以来の出場となった。前日に会った際に「翔吾さん、明日1軍行ってきます」と報告。「頑張れよ。スーツで行けよ」と冗談交じりに背中を押された。坂本、岡本ら偉大な先輩たちが記録した高卒1年目のプロ初安打へ。がむしゃらに突き進む。(臼井 恭香)

【記録メモ】 高卒ルーキーの石塚(巨)が、途中出場でデビュー。初打席は三振に終わった。66年ドラフト制以降、巨人の高卒新人野手がデビュー戦で初打席を迎えたのは、23年7月8日DeNA戦で代打出場し初試合で2打席連続三振の浅野以来10人目になるが、ドラフト制後、巨人の高卒新人のデビュー戦初打席安打はなし。石塚も安打とはならなかった。

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