パ・リーグ オリックス0―5ソフトバンク(15日・京セラD大阪)

 恩人にささげる白星だった。ソフトバンクが3連勝で優勝マジックを11にした。

2020年9月15日、当時3軍コンディショニング担当の川村隆史さんが遠征先で急死(享年55)。命日のこの日、京セラDの選手サロンには似顔絵入りTシャツが飾られた。「昨日、(中村)晃とも話したけど、去年も(命日に)苦しい試合を勝った。勝利を報告できて良かった」と小久保監督がしんみり語った。

 川村さんに新人時代から師事した中村の一打で主導権を握った。1点リードの3回2死一、三塁、右翼フェンス直撃の2点二塁打。「まだ元気でプレーできているのは川村さんのおかげかな。トレーニングもたくさん教えてもらいましたし。恩師の一人」と35歳の4番打者。9月の月間打率は4割7厘と絶好調だ。

 今は下位打線も、相手にとっては気が抜けない。6回には8番・海野が左前適時打。

王会長から積極打法の助言を受けた直後、4日のオリックス戦(みずほペイペイ)から8試合連続安打の打率4割4分、8打点。「会長の指導から見違えるよう」と指揮官も驚く金言効果だ。

 オリックス戦は8連勝で15勝3敗2分けとなった。チームの貯金31の内訳は交流戦でセ・リーグ相手に7、西武6、ロッテ5、日本ハム1で、オリックスの12が飛び抜けている。残り14試合中5試合を同カード13連勝中の本拠地で戦う。最短優勝は23日。お得意様相手にラストスパートを加速させる。(島尾 浩一郎)

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